第10話 津山出発! 早速、快走!

 数分ほど待ったところで、ようやく、アテンダントの女性の一人がドアに取付けられているロープを外し、客を入れ始める。そこでようやく、車内へ。

 よくよく見ると、そのアテンダントの女性は、前回岡山までこの列車に乗ったときの女性と同一人物であった。もっとも彼女の方は、まだ気づいていない模様。

 続いて他の客も乗車してくるが、今回は行き程の客はおらず、自分も含めて合計5人。これで、津山を出発することになりそう。


 後ろのロングシートの女性客2名は、津山の弁当を注文しているらしい。

 この列車の弁当は、昨日の岡山発の列車と異なり、津山にある業者が製造しているもの。県北産のローストビーフも入っている。

 こちらは行きの「隠し寿司」ではなく、正面切って山の幸を入れ込んだ、御馳走弁当である。


 列車は、11時40分の定刻で津山を出発。進行方向右側には宿泊したホテルを、そして左側には、かつての津山機関区の扇形機関庫、現在は「津山まなびの鉄道館」となっている場所を通過。

 日曜日だけあって客も幾分入っていて、鉄道館にいる何人かのお客さんが手を振っている。こちらは岡山発の列車と異なり、次の駅で止まるわけではないこともあり、さっそく加速して3駅先の亀甲へと向かっていく。


 アテンダントの女性が、前回乗ったとき同様、解説を始める。

 最初は少ししつこく感じられたアナウンスだったが、よくよく状況を見ているとさほどしつこくもなく、静かに過ごそうと思えば問題なく過ごせる程度。

 これなら、土日祝日に出張が入っても、席取りをかねてこの列車に乗るというのもありかなと、そんなことを思った。

 本来観光列車ということを考えれば、「ビジネスユース」というのはいささか違和感のある使い方であるとは思われるが。

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