第40話 現在編パート7 再会 その7
撫子宅の外、一人になった俺。
うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?
は、恥ずかしいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?
俺はあまりの恥ずかしさにその場で頭を抱える。
普段とは全く違う自分を演じたことへの羞恥。
やたらと恥ずかしい告白をしたことへの羞恥。
色々な羞恥が重なり、俺を襲う。
先ほど、羞恥心などないと言ったがあれはどうやら、気の迷いだったようだ。
「ちょっと、私を置いていかないでよ」
「ひゃっ!?」
突如として、背後から声がして、驚いてしまう。
「な、なんだ姫花か…」
「何よ、さっきからずっと一緒にいるじゃない」
「いやでも、ずっと黙ってたから…」
「うん…いやだって…」
俺から視線を逸らす姫花。
どうやら、何か後ろめたさがあるようだ。
「正直に言ってくれ…」
そう言いながら、俺は歩みを進める。
それに追いついてくるように、姫花も歩き始める。
「あぁ…その…一生懸命だったあんたには悪いんだけど…」
「おう…」
「内心ずっと…何この茶番って思ってた…」
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
俺は赤面して、顔を手で覆う。
「い、いやね? べ、別に恥ずかしがることじゃないわよ? あんたは立派だったわ、本当にすごかったわよ?」
そう言う、姫花の顔も何故だか真っ赤だった。
「じゃあ、どうして姫花まで顔を赤くしてるんだよ!」
聞いてみたが、理由は何となく分かっていた。
しかし、言ってほしくはない。
できれば……その―
「共感性羞恥って、このことなのね!?」
真っ赤な顔で、少し涙目になりながら、ぷるぷる震えて放たれた言葉。
「分かってるからぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
俺は姫花のその言葉にトドメを刺された。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます