第23話 現在編パート4 お見合い その5
「もうっ、やってらんないわよぉ~♪」
酔っぱらい梔子再誕!?
「お前…」
さっきから、やたらお酒飲むなって思っていた…。
というか、こいつ飲むわりに酔うの早くないか?
あんまり飲めないんだったら、やめればいいのに…。
「聞いてよぉ…今日もさぁ…シナリオ送ったらさ…没くらってさぁ…もうだめぇ~」
「はいはい、それは大変だったな…それじゃあ、そろそろお酒を追加で飲むのはやめような…」
「何でよぉ~。まだまだこれからでしょ~!」
「いや、もう時間的に帰る感じだろ…」
「ええ~! や~だぁ~! もっと一緒にいたい~!」
さっきの大人っぽさはどこへ行ったのやら、梔子姫花ちゃん(二十七歳)が駄々をこねていた。
って、え?
今、こいつなんて言った?
「お、おい…童貞にそういう冗談はやめておけよ? 本気にしちゃうぞ?」
「ぶ~。別に本気にしてもいいよ~。だって私、今日、ずっとあんたのこと考えてたし、頭からあんたのことが離れないし…」
唐突なカミングアウト!?
え…俺はどういう気持ちで聞けばいいのだろうか…。
「もう会うことない…なんて言ったけど、また会えて嬉しいの~♪」
えへへっと、笑いながら無邪気な笑みを向けてくる。
は?何こいつ。くそ可愛いんだが……。
「私、あんたが一緒にいてくれないと…絶対に帰らない~♪」
呂律は回っているから、前回ほど酷くはないようだが…。
今回は、色んな意味で酷い。
主に俺のメンタルにダイレクトアタック。
「分かった…分かったから。一緒にいるから、そろそろ帰るぞ? ほら、隣の母さん達も帰る用意してるし…」
「うんっ! 分かった! ………すぴぃ……すぅ…すぅ…」
分かったと返事をした直後、ドンっと机に突っ伏して動かなくなる梔子。
「おいおい…マジかよ…なんでそこで寝るんだよぉおおおおお!?」
そんな俺達を横目で見ていた、梔子ママ。
「あら…この子ってば、お酒弱いのに沢山飲むから…でもどうしましょう、こうなったら、しばらくは起きないんだけど……」
そんな梔子ママの発言を聞いて、露草ママこと…俺の母親が言った。
「それなら、奏人がおんぶでもして、送ってあげればいいじゃない」
「それがいいわね! それに今日の二人見ててねぇ…亜紀子さん?」
「そうですよね…典子さん?」
と、お互いに相づちをする母親達。
「「結婚式、いつにしましょうか…?」」
二人して声を揃えてそう言った。
あぁ、もうどうにでもなれ…。
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