第24話 デウス(仮)ビル突入

 作戦はビル内を超小型ドローンや他ビルから赤外線などでデウス(仮)ビルにいる構成員の人数と配置がはっきりしてから入口、裏口、屋上へ突入する為に近くで待機する。


 配置が決定したら突入し、俺は国木田アレクの元に転移してすぐ魔眼で支配して残りの連中を公安が検挙すると言う作戦


 俺は公安の用意した車の中で待機…既にキャラインストールして黒のセロに着替えている。



 俺は秘匿通信で

『さてレプリ…状況はどうだ?』

『イマ コウアン ガ カクニン シテイル ヨウダ』

『国木田のマーカーは?』

『イマ ハ ブンシン ガ ハリツイテイル』

『国木田の様子は?』

『パソコン ネット ニ ツナゲテ ミテイル』

『上司はいそうもないか?』

『ゲンジョウ コレ イジョウ ハ ワカラナイ』

『そうか…お呼びがかかったらすぐ転移するから転移後、俺のサポート頼む』

『リョウカイ』


 …


 …


 …


『ゴースト!行って!!』

 預けられた無線機から菅生さんからの出撃命令が届く!(ゴーストは俺のコードネーム)


 車から出ると


【転移】国木田アレク


 瞬間、俺の身体はかき消えて目の前には国木田アレクが!


 国木田アレクもすぐに気付いたのかこちらに振り向く!


「はあ!?あんたは!」


 バイザーを上げて!


【魔眼】発動!!


 瞬間、国木田アレクの表情は驚愕の顔から惚けた顔になる…


 え…

 ならないだと?

 魔眼支配失敗だと?!


『ム! アルジ マドウグ ダ』

 レプリが突然そんな事を秘匿通信で呟く


『魔道具って…』

 魔道具は魔石を動力源として様々な効果を発揮する…

『マホウ コウカ ムコウカ ダ』

『魔法効果無効化って魔眼が効かないのはそれのせいか…』


「流石、兄貴だぜ~予想通りだぜ!」

 国木田はこの事を予期していたのかニヤリと笑うと、右手が左腕を叩く!

 パキ!!と言う音が響く…


『くっ!しまった!!』

 やられた!廃人化してしまった!!


 …


「ん?あれ…何で作動しない?」

 何も起こらなかった…

 そして国木田は動揺していた。


 今だ!


【護神刀】召喚!

 左手に鞘を掴むと右手で柄を握る


剣技【雷火】

 居合で刀を引き抜く!!


 シュラーン!!!


 最速で高速の一撃が不可避の剣速に達する居合斬り

 ブラインのオリジナル剣技


 ドサッ


「え…あ、ぎゃああああああああー」

 雷火で肩口辺りを切り裂いて左腕を落とす…

 ドシュー

 斬り口からシャワーの様に血が噴き出す


 腕を落とされた国木田アレクは右手で失った左腕の斬り口を抑えた…

「腕があああ!!俺の腕がああああああああ!!!」

 余りの痛さなのか半狂乱に陥る


夢双一刀流刀術

剣技【陰討ち】

 刀の向き切り替えて、刀の峰でアレクの首を叩く!


「ぐはっあ…」

 ドサリ…

 俗に言う峰打ちだ…咄嗟に師匠から教わった剣術を久しぶりに放ってしまった。


 刀を鞘に素早く戻すと

 アレクの左腕を拾いアイテムボックスへ収納して…


「レプリ!国木田の身体をチェックしろ」

「リョウカイ ダ」


 …


「ペンダント ニ マリョク ケンチ」

「これか」

 俺は国木田の首からペンダントを取り上げる。


 レプリが触覚を伸ばしてペンダントを鑑定する。

「ヤハリ マリョク ムコウカ ダ タブン コノ マドウグ ガ ゲンイン デ マガン シハイ シッパイ シタ カノウセイ アリ」

 なるほど首にかけて初めて常時発動するヤツかペンダントもアイテムボックスへ収納


【薬鞄+2】召喚

 すぐハイポーションの栓を開けるとアレクの斬り口にかけるとシュウシュウと音を立て傷が塞がり血が止まる。


 無線機を取り出し

『ゴーストよりリーダーへ目標確保…しかしアクシデントの為、目標を怪我させてしまった為に救急車を要請します』

『了解』


「とにかくこいつを運ぼう。」


【転移】豆レプ(公安車)

 国木田に触れながら一個待機させてる豆レプへ転移!


 …


 あれ?転移しない?

「アルジ コノ ビル ケッカイ ガ ハラレテル」

「え!?」

 なんだ魔眼は効かないし転移はビルには入れたのに出れないだと?


「分かった」


【神空雲】召喚

 ドラゴンオーブの孫空冴が使っていた空を飛ぶ雲で武空術で空を飛べるようになったら、息子に上げた邪な心を測れる便利な雲

 勿論、劇中の話でこの召喚した雲は善悪関係無しである。

 国木田の身体に纏わりつくみたいに白い靄が覆っていき身体は浮かび上がる。


【武空術】発動

 よし空は飛べるな…

 雲と共に窓を開けてビルから離れていく…



【兆し(危機感知)】発動


 な?!


『リーダー!ビルから退避して!みんな逃げろ!!』

 無線機を掴んで叫ぶ!


【転移】豆レプ(公安車)

 ビルから離れたから今度こそ発動したようで公安車の前に現れると…


 ドカーン!!!!

 ゴゴゴゴゴー!!!!


「あああ?!」

 ビルのあった方向から爆発音と振動が伝わってくる。


『リーダー!?リーダー!?返事を!』


 …


 …


『ゴースト、聞こえる?』

 菅生さんの声が聞こえる…

『良かった…大丈夫ですか?』


『ええ…でも部下が何人か退避に遅れて…そっちは…』


『はい、目標は確保してあります』


『そう…車のところにいるのね…そのまま待機してて』


『了解です』

 俺はホッとしたものの一歩間違えたらあの爆発したビルの中にいたと思うと冷や汗が流れる。


 時間があったので国木田の身体を弄ると探索者カードを見つけた。

「そうか……迂闊だった…探索者カードか!レプリ調べてくれ」


「リョウカイ」

 レプリはカードを口に入れて…

 探索者カードには自分が行った行動と逆にされた事が記録される。本来は隠蔽してるから分からないはずだが協会と同じ装置があればスキルの内容は筒抜けだ。

 もしかすると俺があの日、魔眼で支配した時の記録が残って…


「マガン ノ キロク ガ ノコッテイル」

 レプリックの解析能力は協会の機械より精密だ…


「やはりそうか…俺のせいだ…」


 俺のスキルへの驕りがこの事態を引き起こしたんだ…

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