第8話

誕生日と討滅士の検査の日から一ヶ月経ち小学校からの帰り道で今日も怪異と遭遇する毎日だ。家に帰ると今日は動物病院に向かいクロノワールを見て貰いに行く


クロノワールは最近トイレに行っていないらしく病気じゃないかと心配になり向かうのだ


「うにゃんにゃにゃん!!」

「クロちゃん。病院に行きますよ」

「ふーーーしゃーー」

はじめちゃん。クロちゃん入れるの手伝って」

「わかったー」


手を洗いランドセルを部屋に置いてリビングに戻ると動物病院に行きたくなく威嚇しているクロノワールを捕まえる為にお母さんを手伝いクロノワールを捕まえてリードを着けるとキャリーバックに入れる


「ふぅ、引っ掻かれちゃった」

はじめちゃん。消毒液持ってくるわね」


引っ掻かれたり噛まれたりして傷が出来た腕を消毒して手当てして貰うとキャリーバックの中で動かなくなっているクロノワールを連れて動物病院に車で向かう


車の中から外の景色を見ていると外にはやはり怪異がいるがやはり交差点に居た怪異が一番嫌な予感がする


怪異に遭遇するのは家の外などで学校の登校時と下校時くらいだが弱そうな気配の怪異はそこそこ見かける


沖野動物病院に着くとクロノワールが入っているキャリーバックを持って動物病院の中に入ると受け付けをしてすぐに人が居ないからこの動物病院の女性の沖野先生にクロノワールを見てもらう


「高坂さんお久しぶりです。前回のクロちゃんの予防接種の時以来ですね。今回はどうかしましたか?」

「クロちゃんが最近トイレに行かないんです」

「そうですか。病気の可能性がありますね。いつからトイレに行っていないのですか?」

「三日前が最後です」

「そうですか。最悪は覚悟してくださいね」


そう先生が言っているがもしかしてクロノワールは怪異になっているからトイレに行っていないのでは無いのかと思いながらキャリーバックの中からクロノワールが無理矢理出された


「フーフー」

「あれ?これは」

「どうかしたんですか!」

「少し待っていてください」


キャリーバックから出されたクロノワールに触れた沖野先生は顔色を変えながらクロノワールのお腹を触っていく。その後掛けていた眼鏡を取り外すとクロノワールをじっと見ている


「なるほど……高坂さん。クロちゃんは怪異になり始めています。ほとんど怪異と言ってもいいほどですね」

「そんな!どうすればいいのですか!」


クロノワールは怪異になりかけている様だ。はじめの生体エネルギーを吸収していたからはじめは納得していた


「落ち着いてください。クロノワールが怪異になった原因が分かりません。何か思い当たる事はありますか?」

「ひと月前にうちの子が討滅士の才能があったくらいです」

「お母さん。クロノワール、俺の生体エネルギーを吸ってきたよ」

「なるほどそれです!いつからそんなことをしていましたか?」

「検査した日には吸われました」

はじめちゃん!何で言わないの!」

「でもそのお陰で生体エネルギー操作の練習になったから。クロノワールが手伝ってくれたんだよ。ねっ!」

「にゃんにゃん」


クロノワールがはじめのいる場所に移動してくると屈んで抱き上げる


「高坂さん、選択肢は二つあります。一つはクロちゃんを討滅士の関係者に引き取って貰います。二つ目ははじめ君とクロちゃんが契約してクロちゃんを式神にする方法です」

「契約の方法ってどんな事をするんですか?」

「それってはじめちゃんは危なくないですか?」


どんな契約方法なのか分からないがどうやらクロノワールと離ればなれにならなくてもよかった


「普通なら危ないですがクロちゃんの様子を見る限りは大丈夫だと思いますよ」

「それってどんな方法なの?」

「この契約自体が怪異と人との契約でしっかりとした契約をしないといけません。はじめ君は討滅士の才能があるそうなので高校生になる頃に授業で教わる事ですね」

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