第7話

クロノワールに向かう生体エネルギーを操作しようとして自身に留めようすると背中に乗られていた時と比べると抵抗が出来ている


「にゃん?」


クロノワールに向かわない様に抵抗していると丸まったクロノワールがこちらを何で呉ないのと見てくる


このクロノワールに生体エネルギーが向かうのはやはりクロノワールがやっているのだろう


もしかしてクロノワールは怪異なのかと思うがクロノワールは姉である晴子が小さな頃に子どものクロノワールを譲渡会で貰ってきた猫なので怪異では無いと思うが怪異がクロノワールに化けているのかとじっと見るがクロノワールはゴロニャーンとしている


それにもしかしたら家に怪異が見当たらないのはクロノワールがいるお陰の可能性もあるし今まで家族として一緒に暮らしていたのでまあいいかと生体エネルギー操作の練習に付き合って貰う


「じゃあはじめ、私は行くね。宿題もあるし」

「うん、わかった」

「この本はどうする?」

「ちょうだい。また読むから」

「分かったわ」


姉の晴子から教本を受け取るとクロノワールとの生体エネルギーの綱引きを再開する


クロノワールとの触れ合っている箇所から生体エネルギーが吸われていくので吸われて身体に満ちている生体エネルギーが薄れていくのを少しでも減らしていく


「うにゃうにゃん」

「負けないぞ、クロノワール」

「うにゃにゃー」


何を言っているのかは分からないがクロノワールからの生体エネルギーを吸う吸引力が増してきた


どんどんクロノワールに生体エネルギーが吸われていくが吸われて生体エネルギーが減っていくほど身体に満ちていた生体エネルギーが薄くなり疲れてくるとそれに身体が危機を感じたのか急にクロノワールに吸われていく生体エネルギーの操作が楽になりクロノワールの生体エネルギーの吸引と拮抗し始めた


「にゃんうにゅん」

「はぁ……はぁ……これでどうだ、クロノワール」

「うにゅ」


拮抗し始めると足の上で丸まっていたクロノワール起き上がるとクロノワールは足の上から降りた


「あーー疲れた」


クロノワールは足から退いてはじめはベットに横になっていると足から降りたクロノワールは部屋のドアをカリカリとしてこちらを向いてきた


「にゃーにゃー」

「開けるからちょっと待ってクロノワール」

「にゃん」


こちらを向いたクロノワールは置物の様に座ると大人しく座って待っている。ベットから疲れた身体を起こし起き上がると部屋のドアを開けるとドアに隙間が出来るとクロノワールはその隙間からぬるんと通り部屋から出ていった


部屋からクロノワールが出て行くとクロノワールとの生体エネルギーの綱引きに疲労したはじめは先に出て行ったクロノワールの後を追いかける様に一階のリビングに向かう


「どうしたの?はじめちゃん」

「練習で疲れてそれに喉が渇いたから飲みに」

「根を詰めちゃダメよ」

「うん、わかってる」

「それと宿題は終わったの?」

「それは昨日の夜に終わらせてるよ」


粉の緑茶を取り出してコップに入れるとお湯を注いで溶かしてそれに氷を飲みやすい温度になる様に入れるとゴクゴクと喉を鳴らして飲んでいく


まだコップに入っている状態でリビングでくつろいでいると玄関から音がして父親の高坂一仁こうさかかずひとが帰ってきた


「ただいま」

「お父さん、おかえり」

「おかえりなさい、一仁さん」

「電話で聞いたけどはじめに討滅士の才能があったんだってな」

「うん」

「そうなのよ」

「着替えてくるから後で話をするぞ」


着替えに父親が向かい着替えて戻ってくると話し合いをする事になった


やはり家族会議での話し合いは長くなるかと思ったがどうやらこの世界の親は子どもが討滅士になる覚悟をしている様ではじめが怪異との戦闘などで怪我や亡くなる事に不安がある様だがこの世界では怪異での死亡率が多くいつ怪異に襲われるか分からない。その為かはじめが討滅士になる為の鍛練をする事に前向きな様だ


その日の夜ははじめの誕生日会を家族で行ない家族みんなで過ごすのだった

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