第5話
クロノワールが背中の上に乗っかってきたが気にしないで購入した結界術の本を読み始めた
結界術は市役所で貰った教本に書かれていた生体エネルギーの感知と操作が出来る必要があるみたいだがとりあえず最後まで読んでいく
「ん?」
「にゃん?」
俺の身体の中で検査の時に感じた生体エネルギーがクロノワールに触れていく。不思議に思いクロノワールの方を見るとクロノワールは見てきた俺をどうかしたの?とでも言う様な顔をしている
何でクロノワールに俺の生体エネルギーが吸われているのか不思議に思ったが自身の生体エネルギー感知が出来るのでまあいいかと結界術の本を読むのを再開する
一応結界術の本を背中にクロノワールを乗せながら読み終わると背中に乗せているクロノワールを退かして起き上がる
「重かった」
「にゃにゃんにゃー!」
「痛いってクロノワール」
クロノワールは俺の腕に尻尾で叩きながら移動すると胡座を描いた俺の足の間に丸まってしまう
クロノワールを撫でながら先ほど読んだ結界術の本の内容を思い出してやはり猿でも分かると書かれていても難しいなと思いながら今もクロノワールに吸われている俺の生体エネルギーの感知もだいぶ出来る様になった
生体エネルギーの感知も出来ているし今度は操作の練習をしたい。生体エネルギー感知は部屋に結界を張らなくても練習する事が出来るが生体エネルギー操作の練習は怪異に見つかる可能性が出る様で結界が張られた部屋での練習をするのが推奨されていると教本には書かれていた。クロノワールを抱き上げ下ろすと母親である桃子の元に向かった
「お母さんあの結界札を使ってみていい?」
「あれを使うの?」
「うん、練習してみようと思って」
「分かったわ。でも
「うん」
お母さんを連れて部屋に戻るとまだベットで丸まっているクロノワールは放って置いて教本の方に付いていた結界札を取り出してお母さんに渡す
「これを四方に貼ると結界が部屋に張られるんだって」
「それはお母さんも知っているわ。一ちゃんもその内、小学校で習うと思うわ」
「そうなの?」
「そうよ。じゃあ貼っていくわね」
お母さんが結界札を部屋の四方に貼るのを見ていると最後の一枚を貼り終えた時に部屋に結界が張られた
「これで結界が張られたの?」
「ええ、そうよ。
「うん、いいよ」
「じゃあ見ているわね」
お母さんが椅子に座り俺はベットに座って目を瞑りまずは自身の生体エネルギーを感知していく
検査の時や先ほどクロノワールに吸われていた時とは違い自身の生体エネルギーを感知するのが難しかったが確かに自身の生体エネルギーを感知できた
感知した生体エネルギーを動かして身体の中で動かしていこうとするが難しく感知している生体エネルギーを全然動かす事は出来ない
それからしばらくの間体内にある生体エネルギーを動かそうとしたが動かす事が出来なかった
「少し休憩したらどうなの?」
「……うん、そうする」
お母さんの言う通り生体エネルギーを動かそうと躍起になって身体に変な力を入れたりとしていたのでベットに横になり休憩する
「お母さん、お昼の用意してくるね」
「うん、分かった」
「お昼ごはん出来たら呼ぶからね」
「分かった」
お母さんが部屋のドアを開ける時一時的に結界が無くなった様だがドアを閉めるとまた結界が張られた
「お昼ごはんまで頑張るか」
「にゃ〜ん」
「そう言えばクロノワールに生体エネルギーが吸われていたな。それを利用すれば生体エネルギーの操作も出来るんじゃないか?」
「にゃん?」
「こっちおいでクロノワール」
「にゃにゃーん!」
クロノワールを抱っこしながら先ほどの様に生体エネルギーの感知をしていると背中に乗られていた時の様に生体エネルギーを吸われるかと思いきやクロノワールに向かっていく生体エネルギーはなかった
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