第4話

母親の桃子が十万円の助成金が討滅士の才能がある子どもの家には出るのでその他の諸々の手続きと一緒に終わらせている間に貰った御守りを首に掛けて教本を読んでいると手続きの終えたお母さんがこちらに来る


「帰るわよ、はじめちゃん」

「うん」


手を繋ぎながら車まで来ると車のドアを開けて後部座席に座ると車が動き出して市役所の駐車場を出て公道を走り出していく


「今日ははじめちゃんの誕生日だからケーキを予約しているの。寄り道してもいい?」

「大丈夫だよ。車の中で貰ったこの本読んでいるから」

「そう、分かったわ。じゃあ待っててね」


予約しているケーキ屋に向かい車は進んでいく。それからしばらくしてケーキ屋に着くとお母さんはケーキ屋の中に入っていった


お母さんが入っている間に少しでもこの教本を読んで理解しようと努力していく


この教本を読んでいくとこの教本に書かれているのは生体エネルギーの感知・操作方法、生体エネルギーを使用した身体能力の強化、生体エネルギーを使用して隠れる隠形、生体エネルギーを隠す隠蔽方法、生体エネルギーを使用して怪異からの攻撃を防ぐ防壁などが書かれていたが練習をするのなら家の中で結界札を四方に貼ってから練習をする様に書かれていて教本には四枚のお札が入っている封筒が付いていた


お母さんぎ戻って来るまでもう一度読んでいるとケーキの入った箱を持って戻ってきた


「お待たせ〜遅くなったかな、はじめちゃん」

「この本、読んでたから大丈夫」

「じゃあ後は帰るだけね。どこか寄りたいところある?」

「お札を買えるところってあるの?」

「あるわよ。今から行く?」

「行ってみたい!」

「じゃあ行ってみようか」

「うん、お願い。お母さん」


教本に書かれている結界札が売っている店に車に乗って向かう。市役所の近くまで来ると自宅の方向とは別の方に向かいそれから少しして見えてきた看板には法具・術具・討滅士用具店と書かれた店に着いた


「着いたわね」

「ここがそうなの?」

「そうよ。さぁ、お店に入りましょう」


店の中に入るとお札の他にも市役所の検査員に貰った御守りや教本もこの店には売っていて魔除けの水晶や怪異と戦う為の武器や防具もここでは買える様だ


案外高価な値段で売っているのかと思ったが教本に入っていた結界札が一万円で二十枚入りで売られていた。流石に御守りは十万円もして高い。これが一年しか持たない使い捨てだと考えるとかなり高価だがお母さんぎ市役所で手続きして貰い渡された討滅士の才能がある子どもだとこの御守りも一万円に割引されるみたいだ


お母さんに誕生日プレゼントとして市役所で渡された教本に乗っていない結界術や結界札などの作り方が載っている猿でも分かる結界術と猿でも分かる術札製作と結界札をお願いするとお母さんは少し考えて購入してくれた


「ありがとう、お母さん!」

「いいのよ。頑張ってね」

「うん!頑張って覚えないと危ないから頑張るよ」


お母さんを少しでも安心させる為に明るくしながら購入した物を持って車に乗り込むと今度こそ家に向けて帰る。市役所で貰った教本を先ほど購入した物が入っている袋の中に入れて自宅まで外をボーッと見ているとまた交差点で腕や足が折れ曲がった人の怪異が居たが見えてないフリをして家まで帰った


車から降りて一軒家のドアをお母さんが開けて中に入るとクロノワールが出迎えてくれた


「にゃーにゃにゃーん」

「ただいま。クロノワール」

「ただいま。クロちゃん」

「にゃにゃん」


靴を脱いで手洗いをする為に洗面所に向かおうとすると足に身体を擦り付けながら俺の事を見上げて不思議そうにクロノワールはにゃーにゃーと鳴いている


手洗いとうがいを済ませると自分の自室に行くと討滅士用具店で購入した結界術の事が書かれている本をベットに横になり読もうとした時うつ伏せの俺の背中の上にクロノワールが乗っかると香箱座りをしてゴロゴロと喉を鳴らし始めた

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