第3話

自身の番号が呼ばれてお母さんと一緒に検査をする部屋に向かう


「大丈夫かな、お母さん」

「大丈夫よ。私も晴子も大丈夫だったからね」


少し不安になりお母さんに聞くと大丈夫だと言われて検査をする部屋の中に入る。部屋の中には生体エネルギーを調べる機械と検査をする機械を動かす人たちがいた。その人たちの格好も何か特別な格好をしているのかと思っていたが普通のスーツを着ている


高坂一はじめくんですね。これを持ってくれるかな」


女性の検査員から渡されたのは機械から伸びた線の先に付いている金属製の札を握る


「あの、ちょっといいですか。うちの子が怪異を見たそうなんですけど大丈夫でしょうか」

「そうなんですか?」

「うん、身体が変な形の人や変なヤツを見た」

「息子さんは討滅士の才能がありそうですよ。お母さん。まあ、怪異を見るだけの人もいますからまだ分かりませんけどね」

「そうですか」

はじめ君。これから君は怪異が見える生活をする事になるけど怪異には何もしない者もいるけど無視する様にね。そういった怪異との関わりを見ている危険な怪異が襲ってくるからね」

「はい」


車から見たあの変なヤツらの話をするとどうやら見ることが出来るだけの人もいる様だ


「今から検査をするけど身体から生体エネルギーが抜けるから身体が疲れてくるけど大丈夫だからね。じゃあ、始めるからね」

「うん」


握っている金属の札に向かい身体の中のナニカが抜き取られていくのが分かる。抜き取られる感じが変な感じだがこれが生体エネルギーなのかと思っていると少しずつ身体が気だるくなってきた


「はい、これで終わりだね。次はこれとこれを持っていてね。生体エネルギーの保持量は討滅士の平均よりも多いようね。C+よ貴方も確認して」

「確かにそうですね。C+ですね」


生体エネルギー保持量の検査が終わり次の検査に使用する二つの青と赤の色違いの筒を渡される。どうやら俺の生体エネルギー保持量は平均よりも多いC+の様だ。


「そのうちの子は討滅士にならないといけないのでしょうか」

「次の検査の結果次第ですね。ですが今の検査結果だと生体エネルギーを隠す御守りは欠かさず持っておかないといけないですね。その生体エネルギーだと怪異たちから狙われますから」

「そう……ですか」


どうやらこの検査員の女性の話を聞くとどうやら俺の生体エネルギー保持量だと怪異から狙われやすいみたいで生体エネルギーを隠す御守りを持っていないといけない様だ。あの気持ちの悪いナニカと一生関わらないといけないみたいだ


「もういいですよ。その二つの筒を渡してください」

「はい」


検査員に二つの色違いの筒を返すと検査員の女性はその筒のうち赤色の筒を確認して次に青の筒を確認した


「生体エネルギー生成量はBですね。かなり多いですよ。それで異能はなし。高坂一はじめくんは討滅士の才能があります。東日本討滅高校に通って貰います」

「やはりはじめちゃんは討滅士の才能があったんですね」


やっぱり俺には討滅士の才能があった様で俺は高校は討滅士になる為の学校に入らないといけないみたいだな


「まだ完全に生体エネルギーが回復していないのでこれを飲んでください。これを飲めば回復しますから」

「うん」


渡された紙コップに入った生体エネルギーが回復する飲み物を飲むと甘くてリンゴジュースの様だった


「はじめくん、これを今日から肌身離さない様に持っていてね。お母さん、今、渡した御守りで生体エネルギーを隠せますがこの御守りの効果は一年持ちますので毎年御守りの購入をお願いします」

「分かりました。他に何か注意する事はありますか?」

「心霊スポットなどの危ない場所に近づけない様にする事ともし怪異を見つけても気が付いていないそぶりをして下さい。怪異に襲われたら警察に連絡をして下さいね」


渡された御守りを握りながら検査員の女性の注意事項を聞いて覚えておく様にしておく


「ではこれで本日の検査はこれで終わりです。最後にこれを」

「なんですか?それは?」

「生体エネルギー保持量の隠蔽技術などが書かれた教本です。簡単な技術ですが覚えておくといいですよ」

「分かりました。はじめちゃん、頑張って覚えようね」

「うん、わかった」

「ありがとうございました」

「ありがとうございました」


不安そうにしているお母さんの手を握りながら渡された御守りと教本を握りしめて検査をした部屋を出る

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