第18話 いよいよ。

いよいよ祭りの日がやって来た!

じいさん会長は、

とても嬉しそうに下町商店街を

練り歩く。


俺は、じいさん会長の隣を歩く。



じいさん会長の横顔に目を向けると、昔を懐かしんでる様子だった。


そんな時……俺を呼ぶ声が聞こえた。


龍孤りゅうこ先生~!!』



俺と、じいさん会長が同時に振り向くと……



誰か分からないが。やたらとキレイ目な女性がたたずんでいた。


『どちら様ッスか?』と聞こうとした時に、その女性は俺に抱きついてきた!


俺は訳が分からなくて驚いていた。



そして……



『んもぅ、私を忘れたの?!酷いわ!』



『は?!俺?誰?人違いじゃねっすか?』

っと話すと同時に、また

ぎゅむむ~~とその女性は抱きついてきた!



女性は目をキラキラさせて話す。



『私よ!!懐かしいわ?幼稚園の時に、一緒にお風呂入ったじゃないのぉ。んもぅ、』


『……は?……へ?』



『弓月よ?!三浦弓月みうらゆづき!!』


俺は、想い出した!確か初恋の相手だ。小学校に上がり、弓月ちゃんは、遠くに引っ越した。



想い出した!




『そうよぉ。んもぅ、先生になっちゃうなんて、、、。おじいちゃんに聞いたのよ?ね?』



俺は突然の事態が飲み込めず

ただ、ただ、あ然とするばかりだった。



よく観察してみると……

『あ~~~!!やったな!!?俺をハメるなんて!水くせーぞ。2人とも!』



弓月ゆづきちゃんの兄が、じいさん会長の秘書をしていて



ずっと、俺の様子を伺っていたらしく、その度に

弓月ゆづきちゃんに報告していたらしい。




俺は弓月ゆづきちゃんの変貌振りに、ドギマギしてしまったが



じいさん会長は、ニヤニヤと笑いながらも、こう言ったのだった。




夫婦めおとになるとええじゃ。ハハハ。お似合いじゃぞ?なぁ。』



おじいちゃん会長は……全てを

見ていたのか??!




俺は少し、驚いたが。



じいさん会長は柏手かしわでをパンパン!!と威勢良く打ち、こう付け加えた!



『今日も元気じゃ!!縁結び完了じゃ!!』


ハハハ。とじいさん会長は笑い始めた。



俺は思った。



『ったくよ~!!じいさん会長は上手いとこ持ってくよなぁ。』



祭りの太鼓や笛の音が街中に響く……。



下町商店街には……

御神輿おみこしが練り歩いていた。



じいさん会長に、

『俺の鑑定場所は?』と聞くと、



じいさん会長は……指をさした。



その場所は……



生ジュース屋の俺の店だった。





『ハハハ!!じいさん、マジか?』


『マジじゃぞ?!ワシは、皆の笑顔が見たかったんじゃ!』



俺は、店の奥にいるあずきを呼ぶ、、、。





あずきは……俺の肩にぴょんと飛び乗り、


ご機嫌にニャーン、と鳴いた。





俺はねじりはちまきをして、

自分の店で、鑑定を始める。隣に弓月ゆづきちゃんが座り、



『今度、龍孤りゅうこの嫁になりますぅ~』

と商店街のみんなに挨拶をしていた。



さぁ、次の客は……誰だ?




『鑑定お願いします。』と次々と客がやって来る。



俺は、幸せな気持ちになった。


柏手かしわでをパンパン!!と2回打つと、俺は言う。








『商売繁盛!!!鑑定完了デス!!!!』






      《終わり》




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鑑定完了デス!!下町の生ジュース屋の店主は本日もフリーダムです! たから聖 @08061012

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