第16話 じいさん会長と俺と。
じいさん会長と俺は、来客用のソファに向かい合わせで座っている。
俺は、じいさん会長が機嫌が良い頃合いを見て、話し始めた。
『じいさん、俺はじいさんの提案を受けたいのはヤマヤマなんだ。だけど……俺にも客は居るんだ。』
じいさんはじぃっと俺を見つめる。
俺は構わず話を続ける。
『そこで、こう考えた。
会社の1階で鑑定場所を設けてもらおうか?…………とね?』
じいさん会長が唸る。
俺は続ける。
『だけど……それじゃあ違うんだよ。社員さんが安心して、じいさんも安心するかも知れない。だけど、、、。』
『だけど……?』
『俺は、やっぱり生ジュース売りを楽しんでるのに気が付いたんだ』
じいさん会長は黙ったままだ。
『俺が、自分の店で夕方の5時かもしくは6時まで生ジュースを売りながら鑑定するとしよう?』
『ふむふむ。で?』
『問題は、その後さ、俺が夕方から、ここの会社で鑑定出来ねぇかな?って……ハハハ。虫が良すぎるかな?』
じいさん会長は、腕を組む。
俺は話を続ける。
『もちろん。木箱か何かを置いて、よくあるよな?ご意見ご感想伺います!ってな?
そんな感じに木箱なんかを置いて
鑑定注文承ります!ってな具合で、どうかな?』
俺は一呼吸置き、
会社専属鑑定師の話を終えて、出されたお茶に口を付けると……
会長は、重い口を開いた。
『先生が良ければ。ワシは1000万でも出すぞ?だがあくまでも
専属鑑定師としてじゃ。』
じいさん会長と、俺は互いに
難しい顔をする。
そして、その場に居た秘書が
鶴の一声を挙げた。
『いっその事。夜店みたいにしたら、楽しいですよね?』
俺と、じいさん会長は秘書の方を向く!
秘書は驚きながらも
『す……すみません。』
『いや。君の意見はナイスだよ?』
『先生、夜店をコンセプトに
考え直そうか?』
『ハハハ。そっすね。夜店は昔から大好きだもんな~俺。ハハハ』
『よし!!じゃあ後はワシに任せてくれ!!悪いようにはしない!』
俺は、緊張が解けて笑顔になる。
じいさん会長と俺は
固い握手を交わした。
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