第13話 難しい話
『君……我が社専属の鑑定士にならないか?』
『…………え?!』
俺は、てっきり。会長が酔った勢いで話したと思っていた。
だが。横から見る会長の表情は、とても真面目だ。
俺も咳払いをしながらも真面目に考え始めた。
ーーいい話と言えば。いい話なんだが……ーー
俺は、直ぐに返事が出来なかったのだ。
それは、会社専属になると、他の人が鑑定出来なくなる。
それよりも、生ジュース屋を開いた意味が……
無いとは言えないが。
これでは、どうしたものか……?
少しほろ酔い加減で、俺は家路へと歩いて行く。
今までの苦労が走馬燈の様に、想い出される。
父親の事故死。母親の蒸発。
一人っ子の俺は、父親に鑑定の
仕方や、それに
知識や、経験……。
鑑定士の人生とは、とても複雑だ。
【この誘いを逃すことは……】先々の事を考えるとなかなか、眠れない。
ただ一つ、俺は……
あのおじいちゃんの笑顔を失いたくない。
そう思えた。
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