第12話 おじいちゃんと孫

おじいちゃんは、OL達の客足が落ち着くまで、芝居をあれこれしながらも、


通り過ぎゆく人達から失笑を買っていた。



おじいちゃんは……芝居しているのがだが、本人は至って真面目?に芝居をしている。




客足が収まった時に、おじいちゃんは……こちらに恥ずかしそうに近寄ってきた。



開口一番かいこういちばんおじいちゃんは……俺に礼を述べた。



『まっ……ままま孫が~世話に

なったなぁ。あ、ありがとう。』



俺は、首をかしげる。

と……その時!おじいちゃんは照れ臭そうに。



『君のお陰で、会長の座が守れたんじゃ。すまないな。』





『はい。その……ごにょごにょ。』


『ハッハッハ!良いっすよ?俺もあれから忙しくて。嬢ちゃんは良い子ッスね?』




『いっ…………囲碁は……でっ

出来るかな?』

おじいちゃんはうつむいて、俺に囲碁を打たないか?と



話し掛けてきた。



俺はたまげた。こんな気さくな

おじいちゃんなんて?!と……




そして……思う。




俺はおじいちゃんに提案する。



『おじいちゃん!!今晩、赤提灯あかちょうちんで一杯やりませんか?』



その言葉を聞いた、会長さんは

孫の話をしたくて、たまらんのじゃ。と幸せそうに答えた。



その晩に、おじいちゃん会長さんと赤提灯あかちょうちん

さかづきを交わしながらも



楽しそうに囲碁を打っていた。





酒の入った会長さんは、俺に問う。


『孫の誕生日プレゼントは?何がえんじゃろなぁ~。』





俺は何気なく、、、

『魔法のステッキは?どッスか?女の子なら、魔法のコンパクトとか大好きッスよ?』



会長は、少しだけ気分が良くなり

冷酒を美味しそうに吞むと、



こう言った……。





『君……………我が社専属の鑑定士にならないか?』



『へ…………?』


いつもふざけた、会長さんは

この時ばかりはだった。

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