第14話 目標
「リブラ。キミはこれからどうする?うちにいる分にはいいけど…」
「なんも決めてねぇ。」
「マジか…」
あまりにもさっぱりしすぎだ。
「いつまでも、というわけにもいきません。『星の子』は他者だけにとどまらず、地球そのものへ影響を与えています。あなたが日本に来ただけで非能力者が能力に目覚める事態が発生しました。」
「つってもなぁ…俺も能力押さえるとかできねぇし。」
「なので、相棒とわたしがいるのです。わたしたちは、そういったイレギュラーを正す役割を持ちます。」
「なるほど。…でもな、俺返す気ねぇぞ。」
「まだ、リブラの能力は使えないよ。」
「体験してないから、か。」
「それに『星の子』だったら、ある程度話は聞いてくれるんじゃないか?」
「聞く?だれが?」
「「地球」」
「案外お前らもイレギュラーだな。」
「試せる?」
「どうでしょうか。いけなくは、ないと思います。」
「じゃあ、頑張ってくれる?」
「…ハイ。」
ん?なんか顔が赤い…?
「さ、さあ!いきますよ。近寄ってください。」
おわ。段々ふわふわと…。もうなれてきたのも、たしかにイレギュラーになってきたのかもしれない。
「おひさー!」
そんなでもない。
「って、あー!『星の子』じゃん!もう見つけたの?!仕事人だねー!」
「それが、この人から提案、というか、相談があるようで。」
「ん?なになにー?」
「…地球がしゃべってんのか?これ…どうなってんだ。」
しゃべれてる…。
「さすが『星の子』。しゃべるのもできるなんてね。で、話ってなんだい?」
「この能力、絶対返さなきゃなんねぇのか?」
「そりゃね。地球が今までどうりの形じゃなくなるよ。」
ちょっと冷たい対応だな。地球。
「それ、俺たち『星の子』で、なんとかならねぇ?」
「あ?」
地球が怒ってる。いつもあんなに穏やか~で能天気なのに。
「いや、あのな?『星の子』って俺みたいに強ぇ能力もってんだろ?なら、俺たちで変わった地球を少なくとも住んで生きてけるくらいにはできると思うんだよ。」
「…キミは自分の能力の出所がどこかわかってる?」
「いや、さっぱり。」
「わたしだよ!」
「え!?そうだったんか!」
「そうだよー!」
「『星の子』ってどんくらい持ってってるんだ?」
「全員で半分ってとこ。それプラスキミたちの影響受けた人たちで…80%くらいとられてる。」
「半分って、ギリ?」
「ギリ。」
何が?
「地球の運営?的なこと~。…まぁ?キミのいってることも?できないこともないなーって思うけど?」
「それだけじゃねぇ。『星の子』の中でも、人類にアブねぇやつもいんだろ?ソイツからは力取り返せば、余裕できんじゃね?」
「地球様。かなり良い案だと思います。」
「うん!私もそー思う~!」
軽いな、やっぱり。
「それじゃー、その案を第一に進めよーか!それと同時にー、ひとみたちの使命も変更だね!君たちは、『星の子』との接触と能力の獲得。そして、彼らの仲を取り持つこと!」
「はい。」
あんま変わってなくね?
「仲良くってことが重要になるのかなー!」
「そろそろ時間だねー!楽しかった!」
「初めて星と話したわ!俺も楽しかったぜ!」
「多分また来ます。」
じゃあ、頑張ってきます。
「はいはーい!じゃーねー!」
目の前が明るくなる。
「っあー!楽しかった!」
「初めて話して楽しかったって…すごいな。しかも地球に対してしょっぱな提案仕掛けるの、度胸あるよ、本当に。」
「目標一新、ですね。」
異世界になって行く世界を 高宮 つかさ @fukuro_
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