第5話 ふたり

痛い。蹴られた。

「はぁ。どうしたらこんな見込みのねぇ奴らを連れてくるんだよ…。おい、お前。」

「あ"い…」

「こっちにこい。早くしろ。」

何とか立つ。閉じ込められ、発狂しているクラスメートが近づく。

「今から実験を見せる。その後、お前もにも同じことをするから。」

「待ってください!これは何ですか?!そもそも先生なんですか?!」

「実験が成功したら、教えてやるよ。」

先生がボタンを押す。

閉じ込められている人間が、動きを止める。

「あれ、俺は…」

「こっからだぞ」

なにがだ?


「ん?なんだ?あっちいな、ここ。…え?燃えてる…。燃えてる!あっちぃ!助けて!助けて!」

なにいってんだ?炎なんて、どこにも…。


「失敗だな。よし、次。」

そう言って、またボタンを押す。

また、1人が静かになり、狂い始める。

次々と。淡々と。

さっきの女も、発狂した。


「まぁ、こんなもんか。」

とうとう、最後の1人も終わる。

「じゃあ、メインディッシュ。」

もう、動けない。逃げようと思っても。体と脳みそが繋がってないように感じる。

「じゃあ。いってらっしゃい」

ボタンが押される。




めのまえがまっしろになる。

溺れているのに、空を飛んでるみたい。

あ、地球が見える。意識がはっきりしてきた。

ここは、何処だろう。

「あれ、君、なんでここにいるの?」

どこからか、声が聞こえる。

「ここだよ。目の前。」

目の前?何にもいないけど…

「いるじゃん。でっかくここに。」

え?もしかして、地球?まさかな?

「そう、地球。君に話しかけているのは、この、地球様さ。」

「は?!」

「いいねぇ。いい反応!流石選ばれた子だね!」

選ばれた子?

「本当は、最も適した場所と時間に伝えなきゃいけないんだけど…。…あ!あの変人がまたはなんかしたんだろ?」

変人?先生のことか?てか、なんでわかるんだ?

「そりゃあ、アイツがイロイロ送ってくるから…。

意味ないのにね!そんなことより、時間があんまりないから、すぐにやることやんなきゃね!」

「君は、地球の『星の子』に選ばれました!」

星の子?

「そう、星の子!この地球の地球のバランスを保つ人間!」

俺が?

「君だけじゃないんだけどね!あと7人いるんだけど、もうここに来てから数年たってるかな?」

じゃあ、俺が最後の一人ってこと?

「うーん、ちょっと違うんだけど…。まぁ、それは後でね!君には、世界の均衡を保つ使命を与えます!」

世界の均衡?

「言葉の意味は自分で考えてね!あと、君には、相棒を送るよ!能力とか、他に知りたいことがあったら、その子に聞いてね!」

「これから二人で、頑張ってね~!」

ちょ、なんも理解できてないって。早すぎるって。

てか、この後、先生のところいくんだけど、ヤなんだけど!

「…それは何とかして~…」

おい、そこも何とかしてよ、地球様。

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