第2話 遭遇

「ありがとうございました~。」

今日は本屋でバイト。

本が身近にあると安心するんだ。

あと少しで終わり。もう客は来ないだろうから、ゆっくりと…。

と思ったら、科学の先生が。

「おや、きょうすけ君じゃないですか。バイトですか?」

「はい。欲しい本があって。」

「いいですねぇ。欲しいものがあるのは。」

「まぁ、他人からは理解されにくいんですけどね。」

「いいんですよ、そんなことは。自分を信じることが一番なんですから。」

「そういってもらえるとありがたいっすね。」

「…そうだ。この後、時間あります?」

「ありますけど…」

なんだろう…?

先生が呼ぶ…今回のテストが悪すぎたのか?いや確かに勉強時間はバイトに費やしていたけどだからといって科学が出来ないわけでもないとは自覚して…

「ちょっと食事でもどうですか?頑張ってますで賞です。」

「…へ?」

「今回のテスト、よかったです。バイトしながら90点以上取っているのは君ぐらいでしょう。だから、君の頑張りを誉めてあげようと思って。」

…なんだー。よかった~。怒られない~~。

「はい。是非お願いしまっす!」

「よかった。じゃあ、終わるまで待ってますので。」

「はい!」

やったー!タダ飯確定!お金が浮いた~!

「じゃあ、お会計を。」

「…あっ。すいません。ありがとうございます。」



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