第14話
「いくぞー乃々華ー!」
「わかったよ!星夜!」
私と星夜は手を繋ぎ、おばあちゃんたちのお墓へ向かう。
あれから10年後私たちは結婚した。最初はおじいちゃんのことが忘れられなかったけど星夜のおかげで乗り越えることができた。初恋はおじいちゃんだなんてみんなびっくりするかもしれないからこれは私の秘密にしておこう……
「久しぶりです、美晴さん。」
「おばあちゃん、久しぶり。」
私と星夜は墓の前で話しかける。
「私たち結婚してね、今子供がお腹にいるの。」
「絶対乃々華も子供も幸せにするんで!見守っててくださいね!」
と私たちは笑顔で話しかける。
私たちの未来は掛け合わせた未来へとなる。
季節は鮮やかに過ぎ去り、足音が重なり合い3人で日々を噛み締めることになるだろう。
「乃々華のこと忘れないよ。」
「!?」
「どうした?」
「なんだか誰かの声がして。あ、桜だ。」
「美晴さんの花瓶に勿忘草飾ってたんだけど花びら入っちゃったな。」
「なんだかおじいちゃんとおばあちゃんみたい……」
限りある人生を歩み、こんなに大切な人は出会えないだろう。
だから今日も私は大切に1日を過ごす。
勿忘草の花が太陽に照らされてニコッと笑ったような気がした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます