第12話

「ごめんね、大貴さん……」

「いいんだ……お前を守れたら俺は幸せだ……」

「お、おじいちゃん……」

「え?おじいちゃんってどういうこと乃々華ちゃん。」

「乃々華は……俺と美晴の孫……なんだ……未来からや……ってきた……」

「そうなんだね……」

結局私が来たから色々と混乱させてしまっている。それに知らないほうの悲しみまで知ってしまった。私はギュッと手に力をこめる。





するとおばあちゃんは

「じゃあ大貴さんにとっての贈り物だね。」

と優しく言った。おばあちゃんは

「薄々乃々華ちゃんがこの時代の人じゃないのは分かってた。だけどまさか孫だとはね……大貴さんはきっとあなたの未来ではあなたに1度も会わず死んでしまう……その未来だったんじゃない?」

とおばあちゃんは確信をつき私はこくりと頷いた。

「大貴さん……こんなに可愛らしくて健気な子が私たちの孫なんて……嬉しいですね。」

「そうだな……」

「おじいちゃん……」

「大貴!!俺……どうすればいいんだよ!」

「大丈夫……みんな……この先も……負けずに……生きて、それと賢く生きろ……」

「私、おじいちゃんのこと大好きだよ!!世界で1番好きだよ!!だから逝かないで!!」

「俺も……お前……の……こと……だい……すき……だ……お前は……














俺の……りっ……ぱ……な……ま……ご……だ……。」












その言葉を最後におじいちゃんは亡くなり私は突然頭をガツン!と打たれたように意識を失った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る