第11話
「俺たちの子を守るため……」
おじいちゃんは涙ながら目を開けない林さんを抱きしめ
「ありがとうな……」
私たちは林さんの墓を作り、勿忘草を1輪置くと
「大貴!」
「琉!?健人はどうした!?」
そこには神楽さんの姿があった。神楽さんは片方腕がなくてなっていた。
「おまえたちが無事でよかったよ!……健人は死んじまった……俺を庇って……」
次々と知っていく人達が亡くなってしまう。私は悲痛した。
するとおじいちゃんは
「大丈夫だ。お前だけは無傷で未来に帰す。」
とおじいちゃんは私の頭を撫でた。好きでもないなのにこんなことやったら……私は赤くなった頬を俯いて隠す。私の心を唯一開けることができた人。私の話をわかってくれた人。私が辛い時一緒にいてくれた人。
だからお願い
私の大好きな人の大切なものを奪わないで
「きゃー!!」
とおばあちゃんの声が聞こえた。
「……もう覚悟は決めた……行くぞ乃々華。」
「うん……」
私はおじいちゃんの震える手を強く握りおばあちゃんの声の元へ向かう。するとそこには
「大貴さん!?」
そこには頬に炭のようなものがついていたおばあちゃんがいた。そしておばあちゃんの手の中には
「八乙女が……死んだのか……」
「美晴さん、怪我はない??」
おばあちゃんは八乙女さんを想って泣いていておじいちゃんはただおばあちゃんを抱きしめるだけだった。
こんなときに私はなにもできない
それに私にとっても苦しい
叶わない恋なんかしたくない
もう絶対逢えない
そんな2人を見るのは辛くて私は神楽さんと近くの川から水を組む。戦争中だからいい水は取れないからろか装置を作って上質な水を作る。
「ほんとに未来の人はすごいなぁ〜」
「そんなことないですよ。これはろ過と言って川の水にも不純物が入っているので、その不純物をとるためのものなんです。」
「俺は戦争なんかやりたくねぇーよぉ。なぁ未来は戦争はない?」
「私たちの国ではないですけど、他の国はありますね。」
すると神楽さんはその場に寝転んで
「結局戦争するって言ってもえらいやつらはやらねぇだろ?俺たちが捨て駒のように戦わされる。えらいやつらがやれよって思うよ。」
その言葉には強く感心できた。私だってそう思う。戦争やってやる!って思ってるやつだけで被害を出さないでやってくれって思う。
「実は私たちが戦争で駆り出されるのは日本の古い歴史から基づいてやらされていると習ったことがあります。また国は情報を操ることもあるらしく、戦争の場合いいことばかりしか教えないと。」
これは昔歴史で習ったことと、おばあちゃんから聞いたこと。私が住む国は今は情報でありふれていて、その中から的確な情報を取る。これはかなり難しいことだ。だけど国に騙されないため。
「結局はえらいやつしか特しないってことだよなぁ〜」
「そうですね。だから私はそんな国に負けないために勉強して、自分たちのことも考えてくれてって訴えかけようとしているんです。」
「すごいなぁ。俺応援するよ!」
「私が送りたい幸せは平和な国、世界で生活ができる、という夢です。いや、夢じゃなくて、贈り物としてあげるんです。」
「絶対乃々華ちゃん、いい人になれるよ。みんなの掛け合わせた未来を守れるような気がする。乃々華ちゃんの心とみんなの心が引き寄せられて絆で結ばれて関係が生まれる。そんな気がするよ。」
神楽さんに言われたことが嬉しくてぶわっと心が熱くなる。夢を応援してもらえたらこんな気持ちになるんだ。私は心から感じることができた。目を閉じて未来を描く。人と人との掛け合わせて1つのプレゼントのような大きな幸せになってみんなが笑って、みんなが幸せに暮らせる。
「想像できた?大丈夫。絶対になれる。」
「ありがとう、神楽さん。」
水ができて2人の元へ神楽さんと帰ると
「の、……乃々華……」
おばあちゃんの手の中で今にも死にそうなおじいちゃんがいた。
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