第3話

「……ん」

「あ!目が覚めた!!お姉ちゃーん!」

私は敷布団に寝かされていた。私は頭をフル回転させるとさっきまでの怪我がないことに気づいた。それにここは家の造りが古い。それにこれは戦争の旗……?戦争の旗!?ってことはここは戦争時代ってこと!?あの時車におばあちゃんと一緒にはねられたことでタイムスリップした……?私が考えていると

「目が覚めてよかった。はい。お水。」

「あ、ありがとうございます。」

お水を飲むと少しひんやりしていて心が落ち着く。女の子は私をじっと見る。

「な、なに?」

「あなた珍しい髪色してるわよね!どこの人?」

今ここで変なことを言うと敵に回しかねない。だから私は

「……私事故で誤って塩素に髪の毛つけちゃって、茶髪を越えて金髪になっちゃったの。」

ととんでもない嘘をついた。するとその女の子はその嘘を信じぷッと笑って

「そんなことあるの!?面白いわ!」

私だってこんなバカな嘘をついて内心笑ってるのよ!と思った。

「あなた……名前は?」

と尋ねると女の子は

「私?私は粟野あわの美晴!あなたは?」

私は目を見開いた。こ、この人が私のおばあちゃん……!!すごく若くて分からなかったけどおばあちゃんの面影はあった。しばらくするとおばあちゃんに似た人が来た。

「よかった〜!目が覚めたのね!あ、私は美晴の姉の粟野美結みゆ。よろしくね。」

「は、はい……。」

姉妹揃って美人だし、そっくり……。

「あの!」

「なーに?」

と美結さんが(なんか若いからおばあちゃんって呼べない)こてんと首を傾けあざといなって思ってた……ってそう思ってる場合じゃない!まずは把握しなきゃ!

「今は何年ですか!?」

「1941年よ。今実は色々と物騒で……。」

やっぱり……!

「最近日本でなにか起きてませんか!?」

「たしか……真珠湾攻撃があって、日本が外国相手に挑発してしまって……」

挑発なんか生易しいものじゃないよ……!!なんとか元の時代に戻らなきゃ!!私は布団からガバッと勢いよく出ると2人は私の跡を追って追いかけてくるが私は無我夢中で走る。しばらくすると玄関から出ることができ、本能のまま走り、周りを見ると私の髪色を見て

「外国人よ……非国民だわ」

「あいつは魔女だ!さっさと交番のやつに連絡しろ!」

と私をいまにばかり殺そうとしている目だった。だけど私は走りや体力には自信があるので捕まらなかったし、むしろ相手を飛び越えることだってできる。












??side

なぜか外が騒がしい。俺は友達と食堂でご飯を食べる。俺は胸ポケットから愛する人の写真と勿忘草のしおりを見る。すると友達が

「相変わらず婚約者のこと好きだな〜!」

「お前だってそうだろ。」

「つーかここの食堂のご飯本当に上手いよな」

と男3人が俺の目の前で喋っていて正直暑ぐるしい。

「にしてもなんか外騒いでるな。俺見てくるよ。」

と俺は席を立ち外に出ると









「捕まえられるなら捕まえてみな!」






そこには







「美晴……?」










俺の愛しい婚約者の面影があった少女がいた。

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