第6話 円卓の騎士団3
クールダウンしてきたのか円卓の騎士団は、意外と素直に自分達の非も認めたようだ。アスカロンに見習い、ようやく周囲からの自己紹介が始まった。
「申し遅れてすまなかったな。私の名は
「……おい、カヤタニ。あのハゲ、ブライアンやって」
「しっ、黙っとれ」
続いては、カイゼル髭が自慢の渋い騎士からの言葉。
「うおっほん、私の名はルンバ・ラルだ。青騎士とも呼ばれておる」
「……ぷぷっ! 何がルンバやねん、笑わせるな」
「こら、黙っとらんかい」
更にヤバそうな、血の気の多い巨人騎士からの発言があった。
「え~、俺はこういうのが苦手だ。俺のハンドルネームはトムヤム君。タイ出身だ」
「……ぷぷぷっ! 自分の事、トムヤム君ゆうてるで!」
「こらあ! 頼むから静かにしてくれ」
最年少の、無口にしてミステリアスな赤い騎士も名乗り出た。
「……俺は、
「ぷっ! もう我慢できん! アナキンやって!」
「……ダケヤマ殿、……何か?」
赤い鎧の騎士が、刃物のような鋭い視線でダケヤマを睨み付けてきた。カヤタニはダケヤマのモミアゲを引っ張り、何本か毟り取る。
「いででで! 何すんねん?!」
「ええ加減にせいっつーの!」
美しさが際立つ、紅一点の美女騎士の番が巡ってくるとダケヤマは、白い胸の谷間が覗く露出度高めのビキニアーマーっぽいコスチュームに釘付けとなった。
「私はダイナゴンって言います。よろしくね、ダケヤマさん♥」
「ダイナさんかぁ……。素敵な名前と魅力的なバストやなあ」
「こら、ダケヤマ。紛う事なきセクハラやで! それにしても大納言……? 何で和風の名前なんやろ?」
ダケヤマが鼻の下を伸ばし、カヤタニが腕組みして考え込んでいる時、最初に助けてくれたイケメン騎士の番が訪れた。
「ふふ、もうアスカロン殿から聞いたかもしれないが、私の名はのべ太だ。見ての通り、円卓の七騎士の中で唯一、ハーフエルフの騎士なのだ」
「ははは。その綺麗な顔に似合わず、のべ太君ってのか」
「オイオイ、最後まで……。ダケヤマぁ! あんた命知らずの礼儀知らずやなあ」
ダケヤマとカヤタニの声を押し殺した会話が、その大きな耳に届いたのか、のべ太は確かに苦笑したのだ。
これら円卓の七騎士と、スカンピンと称するお笑い芸人二人のやりとりが賑やかしく眼前で展開されているにも関わらず、当シンニフォン王国の城主であろうゼノビア王女は、病的に黙って俯いたままであった。
相変わらず玉座にフィギュアのように鎮座したままで、姫の心ここにあらずといった状態である。
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