第3話 変化
帰宅した4人は計画通り夏子宅から現金を奪うことに決め、夜明け前に夏子宅に向かっていたが、途中で新聞配達員がバイクで走り回っていることを確認した誠也が「ライヤの車は目立つから南栗橋駅の駐車場に駐車させて俺の車で回ろう」とハルキを通じてライヤに伝え、ライヤの車を南栗橋駅前の地下パーキングに駐車させた。
誠也、ハルキ、ライヤの3人は夏子宅付近に駐車した車内に桜子を残して夏子宅に向かう途中で新聞配達員と遭遇したが、先頭を歩いていたハルキは逃げ隠れようとはせず、早朝の散歩を装って「おはようございます」と挨拶を交わし、誠也・ライヤ両名も同じく挨拶をしてやり過ごした。
3人はハルキが夏子の携帯電話から取り外した家の鍵を使って玄関を開錠し、土足のまま夏子宅に上がり込むと、家じゅうで金目のものを探し回った。結果、ライヤとハルキが不動産の権利書・借用書・指輪などの宝石鑑定書を発見したが現金は発見できなかったため、誠也が「ヘタに書類を持ち出すと足がつく」と指示し、書類を持ち出すことを断念した。物色途中、夏子宅で飼われていた座敷犬が大声で吠えていたためにライヤ・ハルキ両名が蹴り飛ばし、最後は誠也がとどめを刺す形で頭を踏み潰して殺害した。
「うるせー犬だな」
誠也は犬の死骸に唾を吐いた。
またライヤ・ハルキは宅の金庫から奪った指輪を質屋に質入れし、ライヤは夏子宅から奪った指輪4個を質入れして現金21,000円を得たが、その鑑定書から事件が発覚することを恐れたハルキは鑑定書・指輪を盗み出して付近の電柱下に隠した。
桜子は4時30分ごろ、ワゴン車内で夏子の手提げバッグ内から現金26万円を抜き取るとうち10万円をライヤに与え、ライヤはその10万円のうち半分の5万円をハルキに与えた。奪った金についてライヤは家賃支払い、誠也・桜子は電話料金支払い・建設作業員の出張費・暴力団の上納費などに費やした。
ライヤ・ハルキ兄弟は24日夜になって「和央の遺体はブロックを結び付けただけなので浮かび上がってくるのではないか?」と心配し、両親に和央の殺害を打ち明けると両親も一連の犯行発覚を恐れた。
そのためハルキが利根川に潜り遺体を探したが見つけることはできず、いったん自宅に戻ってから午後になって再び利根川を探したところ和央の遺体を発見したが、既に遺体の腐敗が激しかったため触れることを躊躇した。
事件後、夏子の父親、大造が行方不明になった娘と2人の孫(元太郎・和央)を案じて桜子の下を訪ねた際、ハルキは大造を前にして落ち着かない様子だった。
「何、ソワソワしてるんだ?」と、大造。
「新しいゲームがほしいんですよ」
「こんなときに何を考えてるの?全く」
桜子は大造って小野武彦に似てるな?と、思った。『踊る大捜査線』の袴田課長や、『大都会』の大内刑事役を演じていた。
25日には斬の母親・元太郎のガールフレンドが五霞署に「斬・元太郎がいなくなった」と家出人捜索願を出したが、五霞署は「事件性はない」と相手にしなかった。一方で同日には誠也がハルキと酷似した男と一緒に、橋で利根川を見つめながらゆっくり歩く姿を近隣住民に目撃されていた。
26日午前、行方不明となった斬宅に男の声で「斬の命はない」と脅迫めいた電話がかかったが、『飛鳥家が事件に絡んでいる』と確信していた被害者元太郎の友人たちが、なかなか重い腰を上げない警察を動かそうと苦肉の策として仕掛けた自作自演の電話だった。
代表格の
26日午前10時ごろ、利根川橋の下流10mを流れる利根川に上半身裸の男性の遺体が浮いているのを通行人が発見し、五霞署に110番通報した。遺体は首・両足の計3か所にロープでブロックが括り付けてあったほか、死後時間が経過して腐敗が進行し内部にガスが溜まったことで水面に浮上していた。
誠也は同日夜、居酒屋で飲酒していた際に「やれることはやった」などと独り言を繰り返すなど不可解な言動が目立っていた。またハルキは普段から使用していた6人乗りワゴンタイプ乗用車を知り合いの自動車修理工場に自ら乗り付けて持ち込み「廃車にしてほしい」と依頼したが、修理工場側は「年式こそ古いが目立った傷はなく廃車にする必要性はない」と感じていた。
27日午前1時前、茨城警捜査一課・五霞署は夏子の遺体を行幸湖に遺棄したとして桜子を死体遺棄容疑で逮捕したが、桜子はその後取り調べに対し「4人を殺害した」と供述し、既に遺体が発見された和央以外について「夏子・元太郎・斬の3人を夏子の車ごと川に捨てた」と供述した。その供述通り夏子・元太郎・斬の3人が行方不明になっていたことに加え、茨城県警に対し「金の貸し借りを巡りトラブルがあった」と情報提供がなされたため、県警は80人態勢で行方不明となった3人の発見に全力を挙げつつ、金銭トラブルの真偽について確認を急いだ。
27日午前9時過ぎ、誠也が五霞署2階の刑事課を訪れ「妻が逮捕された理由を聞きたい」と申し出たため、五霞署捜査員の吉川晃司似の刑事が取調室で約1時間にわたり1人で机を挟んで誠也に事情を話していたが、午前10時16分ごろになって誠也が突然拳銃を取り出し、銃口を自身のこめかみに当てて1発発砲し自殺を図った。誠也は命に別状はなかったものの病院に搬送され治療を受けることとなったが、その動機は「事件に強く関与していた誠也が自殺を図ることで捜査を攪乱する意図があった」と刑事は推測した。
カラオケに行って『モニカ』を熱唱したい気分だ。
3月27日付で茨城県警は連続殺人・死体遺棄事件として五霞署に捜査本部を設置したほか、逮捕した被疑者、飛鳥誠也を死体遺棄容疑で茨城地方検察庁境支部に送致した。
27日夜になって茨城県警は利根川の川底で大規模な捜索を行ったが、捜索した箇所は最大水深4メートル・視界50センチメートルほどと透明度も低く、泥質の川底だったため捜索は難航した。しかし和央の遺体が発見された利根川橋付近から約350メートル(m)下流地点を大型クレーン車・投光器などで捜索したほか、同地点付近で県警機動隊所属のダイバーが潜水作業をしていたところ、18時すぎに夏子が所有していた赤茶色の軽乗用車が沈んでいるのが発見され、21時ごろに車を大型クレーン車で引き揚げたところ、車内から男女3人の遺体が発見された。
3人の遺体はいずれも衣服を着たままで、ロープなどにより縛られた痕跡はなく、遺体は助手席、後部座席にあったが運転席は空いていた。そのため「運転免許を持っていた桜子が別の場所で3人を殺害後、遺体を乗せた車を現場近くまで運転して川に沈めた」とモニカ刑事は推測した。
実際に遺体発見現場を検証して車の進入経路を確認したところ、付近の土手から利根川の川岸にかけて車が通ったような痕跡が確認されたが、茨城県警は「女性である桜子単独では4人の殺害・遺体遺棄など一連の犯行を遂行するのは困難だ」との理由から複数犯の線を強めた。その上で誠也についても犯行への嫌疑を掛け、「銃の入手経路などについても事情を知っている可能性がある」と推測した上で誠也の回復を待ち、改めて事情聴取する方針を固めた。
県警捜査本部は28日になって軽乗用車内で発見された3人の遺体をいずれも司法解剖し、遺体の身元を行方不明だった夏子たちであると断定したほか、3人の遺体は死後1週間程度経過していることが判明した。また司法解剖の結果、元太郎・和央両名の遺体にはそれぞれ3発ずつ拳銃で銃撃された痕が確認された。
3月29日、茨城県警捜査本部はハルキを栗橋駅近くで発見して任意同行を求め、同日深夜になってハルキを桜子の共犯として和央に対する死体遺棄容疑で逮捕した。
3月30日に茨城県警捜査本部が夏子宅の状況を確認したところ夏子の室内から小型金庫がなくなっていたことが判明したため、モニカは「金銭トラブルが犯行動機」と睨んで桜子とハルキを金庫紛失の件も含めて追及した。
「吐けよ!洗いざらい!」
また同日、茨城県警はハルキが普段から使用していた6人乗りワゴンタイプ乗用車が自動車修理工場へ「廃車にしてほしい」と持ち込まれていたことを確認し、車を押収した。
31日になって桜子が共犯関係の追及を受けていた中で「ハルキが被害者を銃撃した」と認める供述をした。使用された拳銃はベルギー・FNハースタル社製の25口径自動式拳銃「FN ブローニング・ベビー」で、弾倉に銃弾6発が装填できるものだったことから使用が裏付けられた。
一方、海斗は派遣切りされたことに怒り、妖怪になった。刀で斬られても、鉄砲で撃たれても死なない!結婚は断られるし、このイライラはどうしたらいい!?鏡を見てあらびっくり!メンタマの変わりにキンタマはついてるし、頭はツルツルになっちまうし、キンタマのところにメンタマはあるし、恥ずかしくて外にもろくに出られない。
仙人が現れた。
「どうしたら元の体になる!?」
「怒りを浄化させない限り、そのままじゃ!!」
海斗は足軽はおろか、百姓すら殺してない。
鎧を装着すりゃキンタマのとこのメンタマは隠せるが、メンタマのとこのキンタマはどうしたらいい?サングラスははみ出てしまうだろうし、ハチマキでグルグル巻きにしちまうと全く見えなくなる。
桜子が取り調べに対し「夏子から借金していた」と供述したほか、桜子の友人たちも「夏子は桜子に数百万円を貸しており『なかなか返してもらえない』とこぼしてもいた」と証言したため、茨城県警は事件当初から「桜子と夏子との間の金銭トラブルが事件の発端となった」と睨んでいたが、金銭トラブルのみが一家を殺害するほどの動機になるのか疑問視する声もあった。そのため茨城県警は他に殺害につながるようなトラブルがなかったかを洗い出し、「元太郎・斬とハルキとの間に交友関係を巡りトラブルがあった」とする情報を得たことから「それがエスカレートし両家全体を巻き込んだ事件に発展した可能性がある」との見方も含め、被疑者一家の交友関係を幅広く捜査した。茨城県警は関係者の供述・証拠を手掛かりに捜査を進めることとなった。
桜子は逮捕された当初「4人を拳銃で撃った」と説明したが、司法解剖の結果夏子・和央両被害者の遺体には銃撃痕は見られなかったほか、殺害の順番・場所の説明も二転三転するものだったため、茨城県警は「桜子が何か重大なことを隠している」と推測して追及を続けた。その結果、4月10日までに桜子は「ハルキが被害者を銃で射殺した」と述べたほか、一連の事件への関与を否定していたハルキも「全部俺がやったことだ」などと4人の殺害に関与したことを認める供述をしたため、それぞれ供述の矛盾点を慎重に突き詰めるなど裏付け捜査を行った。
一方で4月15日、まだ逮捕されていなかったライヤは『日朝新聞』の取材に対し「殺害された元太郎・和央兄弟とはあまり面識はなかった。自分は事件に関与していないし『なぜ事件が起きたか』はこちらが聞きたい」と述べていた。
茨城県警は4月20日にライヤを死体遺棄容疑の被疑者として逮捕したほか、翌4月21日には入院中だった誠也も犯行に関与していたことが判明した。そのため捜査本部は誠也を回復次第死体遺棄容疑で逮捕することを決めたほか、2つの遺棄事件はそれぞれ遺棄現場・犯行日がほぼ同一だったことから、茨城県警はこの時点では誠也・ライヤに対し未立件だった和央事件についても、2人が関与したとみて事情聴取した。
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