あの山小屋は貧乏だったのか
昔、「銭形金太郎」という番組があった。貧乏さんを訪ねる番組である。それを見ていたら、見知った場所が出てきて驚いたことがある。
大台ケ原、桃の木小屋。山小屋である。
私は中学生の時、フィールドワーク部というところに入っており、主に山を登っていた。普段は日帰りだが、夏休みには泊りがけで遠出する。その一つが桃の木小屋を利用する大台ケ原、大杉谷下りのコースだったのである。
もともとは二泊の予定だったのだが、その日は台風が迫っていた。そのため一泊の旅程となり、私たちは桃の木小屋のみに泊まることになった。その意味でも印象深い。
林道もあり、車で行ける山小屋である。意外といろいろとそろっていた気がする。獣が出るから夜は出歩かない方がいいと言われた。何せ大台ケ原はとんでもなく山深い。
戦後アメリカが開拓できないかと調査に入った際、新種の動物を発見したそうである。日本で一番雨量が多いそうである。あまり有名ではないがすごいところである。
そんな思い出の山小屋が貧乏さんとして訪ねられている。確かに人がとてもたくさん来るというわけではないだろうし、もう少し下流には粟谷小屋(二泊目に行く予定だった)というものもある。一泊の人はそちらに泊まるのかもしれない。
そうか、貧乏かあ、となんだか寂しい気分になった。しかしいきなり人がたくさん訪れることはないだろうし、訪れても利用できないだろう。山を訪れる人にはありがたいが、宿命として儲からない仕事なのかもしれない。
数年前、友達と久々に泊りがけで登山に行った。立派なコテージの二段ベッド。施設が鍋セットも用意してくれた。温泉付きである。ああここは貧乏じゃないんだろうな、などと思った。
そういえば父は、大杉谷を登っていったことがある。私もいつかチャレンジしてみようか。また、山小屋に泊まろうか。
皆様も興味があれば、山小屋を使う登山をどうですか。
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