第7話「アイリーとの結婚」
先代の聖女エルマを追放してから一年が経過した。
俺は一年の婚約期間を経てアイリーと結婚した。
アイリーとは婚姻前から契っていたので今更なところがあるがそれでも初夜は燃えた。
余談だがアイリーの王太子妃教育はあまり進んでいない。
婚約してからわかったことだが彼女は勉強も仕事も好きでないようだ。
高位貴族の治療を請け負い大金が入ってくるようになってから、彼女は王太子妃教育をサボるようになった。
治療を勧めたのは俺だがもう少し真面目に王太子妃教育に取り組んでほしい。
新婚気分が落ち着いたら側室を娶ることにしよう。
下位貴族のガリ勉女を側室にして仕事だけさせる。
下位貴族の娘なら城での待遇に不満があっても何もできないだろう。
エルマと同じように使い潰して用済みになったら適当な金持ちに下げ渡してやる。
簡単に手に入らないものを欲しがる物好きな金持ちは多い。
元側室のブランドのついた女はいくらで売れるかな?
側室を何人か娶ってもいいかもしれない。
あるものには仕事をさせ、あるものは娼婦の代わりに抱く。
側室が年老いてきたら適当な理由をつけて家臣に下げ渡せばいい。
俺の仕事を代わりにしてくれて、娼婦の代わりになって、最後は俺の小遣いになる。
最高だな、笑いが止まらないぜ。
「ギャリック様、何を考えてるんですか?
お顔がにやけてますよ」
「側室をもうけて仕事だけさせようかと思ってな」
「それを新婚初夜に花嫁に言いますか?」
「嫌なら王太子妃教育を頑張るんだな」
「それを言われると辛いですわ。
いいですよ、側室をもうけてください」
「やけに素直だな」
「金のなる木の私をギャリック様は手放さない。違いますか?」
「君を手放さない理由はそれだけじゃない。
アイリーは俺の初恋の相手だ」
「あらお上手ね。
『真実の愛』の相手と付け加えてくれたらもっと良かったわ」
「君は真実の愛の相手だよ」
「あらありがとう。
それはそれとして側室虐めって楽しそうじゃない?
いいストレス解消になりそうだわ」
アイリーはネズミをもてあそぶ時の猫のような顔をして言った。
女の嫉妬は怖いな。
「最後には適当な理由をつけて家臣に下げ渡す予定なんだ。
虐め殺すなよ」
「気をつけます。
でも保証はできませんわ」
アイリーは邪悪な笑みを浮かべる。美人はどんな表情をしても絵になるな。
俺は結婚式の余韻にひたり時おり花嫁と悪巧みをしながら初夜を楽しんだ。
翌日から地獄の日々が待ち受けているとも知らずに……。
☆
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