第33話 満腹

すると、膨大な魔力が流れ込んできた。

「ぐっ……」

あまりの量の多さに頭が痛くなる。だが、久留洲はそれを必死に耐える。

「頑張ってください!」

フィリアは応援する。

「これは試練です。久留洲。真の勇者として七つの大罪と魔王を倒す力を得るための!」

聖女が叫ぶ。

久留洲はさらに力を込めた!

すると、魔方陣が強く輝き出した。

そして、徐々に魔法陣が消えていく。

「やったぞ!」

久留洲は歓喜の声を上げる。

「やりましたね!」

「さすが、勇者様だ」

「聖女……あなたのお陰だ」

久留洲と聖女は握手を交わす。

「いえ、私はただ、あなたを全力でサポートしていただけです」

聖女は微笑む。

「それで、これからどうするのですか?」

「とりあえず、七つの大罪と魔王を倒す」

「それはいいですね」

その時、フィリアが叫んだ。

「あと焼肉定食大盛で」

「おい、今は真面目な話を……」

「私も食べたい」

「分かったよ! 奢ればいいんだろ!?」

「やったー」

「ありがとうございます」


**

「ふう、食べたな」

久留洲は腹を撫でた。

「ぶっ」

屁が出た。

「汚いな」

フィリアはハンカチを渡す。

「すみません」

「あ、あれは!」


聖女が指差す先に、空から何かが降って来た。

「隕石か?」

「違うわ。きっとアレよ」

フィリアは目を輝かせていた。

そこには、黒いドラゴンがいた。その大きさは街を簡単に破壊できそうだ。

「グオオォオオッッ!!」

ドラゴは大きく吠えた。

「こいつが七つの大罪の悪魔の一つ、『傲慢』」

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