第32話 緋色の聖女

穴の奥には聖女がいた。

聖女は何と、しゃがんで、うんこをしていた。

「うーん……出ないわねぇ……」

ブツブツ言いながら踏ん張っている。

「おい、お前何してんだよ?」

「あら、勇者君じゃない」

聖女は立ち上がる。

「いや、普通に考えておかしいだろ!!」

「うんこしてるのが、おかしいのですか?」

聖女は首を傾げる。

「そういう意味じゃねえよ!! てか、そんなこと聞いてないから!!」

久留洲は怒鳴った。

「もしかして、私がうんこをしていることが気に入らないのですか?」

「いや、別にそういうわけじゃ……というか、そもそもの話、どうしてこんな場所でうんこしてるんだ?」

「だって、トイレがないのですもの」

「えぇ……」

久留洲は唖然とした。

「フィリアも、うんこしたくなってきた」

「俺もしたい」

「仕方ありませんね。一緒にしましょうか」

「いや、俺は1人でする」

久留洲は断る。

「分かりました」

「ちょっとまて、俺も」

ガイズも絡んで来た。

「ふぅ、スッキリしました」

「やっぱり、うんこしないと落ち着かないな」

2人は満足そうな顔を浮かべている。

「ふざけるな!! もう我慢できない! こうなったら、全員でやってやる!」

久留洲は叫ぶ。

「そうですね!」

フィリアも賛同した。

「おう、そうだな」

聖女の顔は恍惚に包まれた。

久留洲達は巨大な魔法陣の前に立っていた。

「ついにここまで来てしまったか」

「そうね」

「ワクワクしますね!」

皆は興奮を抑えきれない様子である。

「よし、早速始めるか!」

久留洲は魔方陣に手を当てる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る