第31話 勇者召喚の地へ……
翌日……
「さて、これからの方針を決めようと思う」
久留洲が切り出す。
「まず、『傲慢』『嫉妬』『憤怒』『怠惰』『強欲』『暴食』『色欲』の悪魔を倒すために聖女に会おう」
「分かりました」
「でも、どうやって聖女を探すの?」
ミリーは首を傾げる。
「それは簡単だ。勇者召喚が行われた場所に行って、聞き込みをするんだ」
久留洲は自信ありげに答えた。
「なるほど」
「じゃあ、早速行こうぜ」
「はい!」
久留洲達は出発した。
***
久留洲達が街に着くと、人々が慌ただしく動いていた。
「何かあったのかしら?」
「さあな」
久留洲は不思議そうにしている。すると、1人の男性が駆け寄ってきた。彼は焦っている様子である。
「すみません、あなた方は旅人の方でしょうか?」
「ああ、そうだ」
「お願いします!! 助けてください!!」
男性はいきなり頭を下げてきた。
「どうしたんですか?」
「実はこの街の地下に『暴食』の悪魔がいるみたいなのです」
「なんだと!?」
久留洲は驚く。
「悪魔は地下にいるんですよね?」
「はい」
「なら、私たちに任せてください!」
フィリアは胸を張る。
「ありがとうございます!」
「ところで、この辺りで勇者召喚を行った場所はどこだ?」
「確か、神殿があるはずです」
「分かった。とりあえず、そこに行ってみるよ」
「よろしくお願いします!」
男性は再び、礼を言うと去っていった。
「よし、行くぞ!」
3人は街の外れにある大きな建物に向かった。
***
久留洲達は大きな建物の前に着いた。
「ここがそうみたいだな」
「そうね」
「中に入ってみましょうか」
久留洲達が中に入ると、そこには大勢の人がいた。皆、不安そうな表情を浮かべている。
「どうやら、ここで間違いなさそうだな」
「はい!」
フィリアは元気よく返事をした。
「あの、すみません」
「はい、なんでしょう?」
近くにいた女性に話しかける。
「ここに勇者召喚を行った場所ってありますよね? どこに行けばいいですか?」
「それなら、そこの奥にあります」
女性は壁を指差す。そこは隠し扉になっていた。3人がその奥に進むと、魔法陣が描かれた部屋があった。
「これですね」
「ああ、多分な」
久留洲は確信する。
「それで、どうすればいいのですか?」
「おそらくだが、これを起動させればいいはずだ」
久留洲は部屋の中央にあった機械を操作する。すると、地面が大きく揺れ始めた。
「きゃっ!?」
フィリアは思わず悲鳴を上げる。しばらくして、振動が収まった。
「これで大丈夫なはず……」
久留洲は呟く。そして、しばらく待つと床に大きな穴が現れた。
「これが、地下への道ですね」
「そうだな」
「早く行きましょう」
「待ってください! ここは私にお任せを!!」
フィリアは手を挙げる。
「何をするつもりだ?」
「こうするんです」
フィリアは聖剣を取り出した。そして、光り輝く刃で目の前の壁を切りつけた。すると、凄まじい轟音とともに崩れ落ちる。
「おお!!」
久留洲達は感嘆の声を上げた。フィリアは得意げな顔をしている。
「さあ、行きますよ!」
急いで穴の中に入った。
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