第24話 剣聖カドカワ

「ここがそうなのか?」

久留洲達がやって来たのは、とある建物だった。

その建物はボロボロで、いかにも怪しい雰囲気を放っている。

「そうだ」

「ここは一体……?」

アルヴィンは恐る恐る尋ねる。

「まあ、ついて来れば分かる」

久留洲は建物の中に入っていった。

「いらっしゃいませ」

受付のような場所に座っていた男が挨拶する。

「ああ」

「本日は何をお探しでしょうか?」

男は笑顔で尋ねた。

「仲間を探している」

「どのような方ですか?」

「そうだな……」

久留洲は考える。

(どうせなら強い奴が良いな)

そして、一人の男を思い出す。

「確か……剣聖とか呼ばれていたはずだ」

「承知しました。少々お待ち下さい」

男は立ち上がると、どこかへ歩いて行った。

***

「こちらになります」

しばらくして戻ってきた男の後ろをついていくと、そこには牢屋があった。

「この中にいます」

久留洲は牢屋の扉を開ける。すると中には一人の男がいた。

「こいつがそうなのか?」

「はい、間違いありません」

男は白髪の老人だ。かなり弱っているように見えるが、その目からは鋭い眼光が放たれており、とても普通の人間とは思えなかった。

「おい、あんた名前は何ていうんだ?」

久留洲は問いかけるが、反応はない。

「おい、聞こえてるのか?」

もう一度聞くがやはり無言のままだ。

「無駄だよ。彼は耳が遠いからね」

「そうなんですか……」

「ああ、だから私が代わりに答えよう。彼の名前はカドカワ。かつて英雄と呼ばれたこともある剣士だよ」

「へぇー。すごい人だったんですね」

アルヴィンは感嘆の声を上げた。

「ああ、だが今は見る影もない。彼がこうなったのも、全て私のせいなのだよ」

「どういうことですか?」

「それはだな……。っと、こんなところで話す内容じゃない。場所を変えないか?」

「それもそうですね」

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