第23話 奴隷エルフを買う

「おっぱい」

「何だいきなり……」

「いや、ただ言いたかっただけです」

アルヴィンは久留洲に頭を下げた。

きっとガイズの従者になったことがショックなのだろう。

「ねー。久留洲。使えそうな奴隷雇って冒険するのもありだよ」

フィリアは提案するが……。

「いいね」

久留洲はエルフの少女を指差した。

「あれはいくら?」

「金貨百枚です」

「高いな……」

「あの子の魔力量はかなりのものですよ」

奴隷商人は言う。

「確かにそうだな。でも、もう少し安くならないか?」

「そう言われましても、これが限界でして」

「仕方がないな。じゃ買おう」

「ありがとうございます」

「じゃあ、行こうか」

***

「さっきのはどういうことなんですか?」

奴隷商の建物を出てすぐに、アルヴィンが尋ねる。

「だから言っただろ。仲間にするんだよ」

久留洲は答える。

「いや、それは分かりましたけど……。どうしてあんな値段で?」

「そりゃあ勿論、お前のためだ」

「僕のため……?」

アルヴィンには訳がわからなかった。

「お前がガイズの奴隷になったのは聞いてるんだ」

「そうですか……」

「ああ、それにこのままだといずれ殺されるかもしれないしな」

「え!?」

「ガイズは自分勝手だからな。アルヴィンにも味方というか奴隷がいるだろ」

「それが私……?」

エルフの少女は震えながら自分を指差した。

「ああ、そうだ。お前も俺の仲間になれ」

「はい!」

少女は嬉しそうに返事をする。

「おい、勝手に話を進めるなよ」

「ん?何か問題でもあるのか?」

「いや、別にそういうわけじゃ……」

「なら良いじゃないか」

久留洲の言葉にアルヴィンは納得するしかなかった。

「エルフ、お前の名前は?」

「私はミリーです」

「そうか、俺は久留洲だ。よろしくな」

「はい!」

「それじゃ、これからのことを話すぞ」

久留洲は真剣な表情で言う。

「まず、お前達にやってもらいたいことがある」

「なんだ?何でも言ってくれ」

「俺達は冒険者だ。当然、魔物と戦うことになる。だが、今の戦力だと少し心許ない。そこで、新しい仲間を増やすことにした」

「なるほどな。それで?」

「実はもう一人奴隷を買おうと思ってる」

「ほう、どんな奴を買うつもりなんだ?」

「ああ。そいつは……」

久留洲はニヤリと笑った。

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