第20話 聖女に会いたい

その後しばらくして、勇者一行は王宮を出発し

て旅立った。

「あーもう!!一体いつまでこんなこと続ければいいんだ?」

馬車の中で、ガイズは文句を言う。

「まあまあ、そんなに怒らないで下さいよ」

アルヴィンがなだめるように言う。

「うるせぇ!!」

「そういえば、次の街で宿を取るんでしたよね?」

「ああ」

「それなら早く行きましょうよ」

「分かってるよ」

ガイズは不機嫌そうな様子で答える。

(全く、この人は本当に短気だな)

アルヴィンは小さく溜息をつく。

それから数時間後、三人はようやく目的の街に到着した。

「さすがに疲れましたね」

「そうだな」

「あの、良かったらこの後どこかで食事でもどうですか?」

「おっ!いいね!」

「私は構わないわ」

二人は賛成してくれたようだ。

「じゃあ決まりですね」

「よし!そうと決まれば早速行こうぜ!」

ガイズは嬉しそうに言った。

「えぇ。そうですね」

「おい、二人とも遅いぞ!」

「はいはい」

アルヴィンとフィリアも二人の元へ向かう。

そして四人で食事をした後、宿屋に向かった。

「やっとベッドで寝られるぜ」

ガイズが満足げに言う。

「そうですね」

「私、今日は先に眠らせて貰うね」

「分かりました」

「じゃあお休みなさい」

「おやすみ」

三人はそれぞれの部屋に別れて行く。

「さて、僕たちもそろそろ寝るか」

アルヴィンは自分の部屋の扉を開ける。

しかし、中は真っ暗だった。

「あれ?」

アルヴィンがランタンをつけるとそこには誰もいなかった。

「フィリアさん……?」

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