「おいおい、お前ら勝手に話進めてんじゃーね！」

ガイズが困った顔している。

「すみません。つい盛り上がってしまいまして……」

久留洲はそう言うと、改めて三人の顔を見渡した。

「魔王を倒さなきゃならないのに、妹とかお兄様とかお気楽だな」

呆れたようにガイズが言った。

「まぁ、確かにそうかもしれないけど……」

久留洲は苦笑いする。

「それにしても、どうして魔王を倒しに行く前に聖女に会いたいなんて言い出したんですか？」

アルヴィンが尋ねた。

「いや、僕だって最初は乗り気じゃなかったよ。だけど、よく考えたらこれはチャンスじゃないかと思って」

「どういう意味だよ？」

「もし聖女がいたら、魔王を倒すための大きな力になってくれるんじゃないかな？」

「なるほど。確かにそうだが……、しかし聖女はまだ若い少女なんだぞ」

「うん。だから、まずは彼女を保護してあげないと」

「おい！ちょっと待てよ。そんなのおかしいぜ。だいたい何で俺らがそこまでしないといけないんだよ」

「それもそうですね。どうして僕らが彼女の面倒を見なければいけないのか、理由を教えてくれませんか？」

アルヴィンも不思議そうな顔で尋ねる。

「う～ん。それはやっぱり、放っとけないからかな？」

久留洲は首を傾げる。

「はぁ？どういうことだ？」

「聖女はきっと普通の女の子とは違う。何か特別なものを持っている気がすると」

「勘か？」

「いや、そうじゃない。もっと具体的な根拠がある」

「根拠？」

「そう。それは……」

久留洲は一呼吸置いてこう続けた。

「彼女は、僕の運命の人だと思うんだ」

「……はっ！？」

三人とも驚いた顔で久留洲を見る。

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい