第15話 王の病状

「王はちょっとボケているのでは?」

ガイズは小声で久留洲に伝える。

「えっ……」

(それって、かなりヤバいんじゃ)

久留洲の顔から血の気が引いていく。

「何か言ったかね?」

「い、いえ、何でもございません!」

久留洲は慌てて誤魔化した。

「そうか、なら良いのだが」

何とかバレずに済んだようだ。

王は報酬を授けた。

「今回は本当に助かった」

「いえ、当然の事をしたまでです」

久留洲とフィリアは微笑む。

「また、機会があれば頼んでもいいかな?」

「はい!」

二人は元気よく返事した。

「それでは失礼致します」

久留洲とガイズは一礼して、その場を去る。

「何とか無事に終わって良かったわね」

「そうだな」

「アルヴィンさん」

「なんだ?」

「王はボケていますか?」

「ああ。俺が誰かもわからなくなっている」

久留洲は考え込む。

「やはり、そうでしたか」

「知っていたのか?」

「ええ、まあ」

「そういう所を直して欲しいものだ」

「そうですね」

「王があんな調子だから、暗殺者に狙われている。王の権力を奪おうとする部下も多い」

「そうなんですね」

「まあ、この国は平和だがな」

「僕達も気をつけないといけませんね」

「その通りだ」

「とりあえず、今日はゆっくり休もう」

「賛成です」

久留洲とガイズは王宮を出た。

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