第12話 遺跡探索

「ここが目的地の遺跡だ」

アルヴィンは説明を始めた。

「この遺跡には古代の宝があるらしい。その宝を見つけ出し、持ち帰って来てくれ」

「質問いいですか?」

久留洲が手を挙げる。

「何だい?」

「もしも、見つからなかった場合はどうなるんですか?」

「その場合は、諦めてもらうしかないね」

「そうですか……」

「それじゃあ、健闘を祈るよ」

アルヴィンは去っていった。

「さて、行きましょう」

久留洲が先頭に立って、中に入る。

「気をつけて下さい。トラップが仕掛けられているかもしれませんよ」

ガイズが注意を促した。

「分かっている」

久留洲は慎重に進む。

すると、壁の中から矢が飛び出してきた。

「危ない!」

ガイズは咄嵯に剣で弾く。

「大丈夫ですか?」

久留洲が心配そうに尋ねる。

「問題ありませんよ」

ガイズは何事も無かったかのように答えた。

その後も順調に進んでいったが、途中で行き止まりになった。

「困りましたね」

久留洲は頭を悩ませる。

その時、壁に文字が書かれている事に気づいた。

「何か書いてあります」

三人はそこに集まる。『ここに入る者を選べ』

そこにはそう書かれていた。

「どういう意味でしょうか?」

久留洲は首を傾げる。

「私に任せて下さい」

ガイズが進み出ると、魔法を唱えた。

「炎よ、我が敵を撃て!」

彼の手のひらから火の玉が出現し、真っ直ぐに飛んで行く。

すると、壁が崩れ落ちた。

「流石ですね」

久留洲は感心する。

「では、進みましょう」

三人は奥へと進んだ。

しばらく歩くと、大きな扉が見えてくる。

「この先には、何が待っているんでしょうかね?」

久留洲が呟いた。

「きっと、金銀財宝が待っていますよ」

ガイズは楽観的に言う。

「それはあり得ませんね」

久留洲が反論した。

「どうしてですか?」

「そんな簡単に見つかる物なら、王宮騎士団の仕事になりませんよ」

「言われてみると、確かにそうです」

「だから、私はあまり期待しない方がいいと思います」

久留洲の意見を聞いて、二人は考え込む。

「まあ、行ってみれば分かるでしょう」

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