第10話 王宮からのスカウト

と。

数日後。

久留洲達は沢山のクエストをこなし、ギルドでの地位を上げていた。

「今日は何を食べましょうかね~♪」

久留洲は上機嫌である。

「美味しいものなら何でもいいです」

「それが一番難しいんですよ」

そんな会話をしながら歩いていると、

「ん?」

前方に人影が見える。

「誰でしょう?」

近づくにつれて、その正体が明らかになる。

そこには一人の男が立っていた。

「こんにちは」

男は丁寧に頭を下げる。

「どうも」

久留洲も軽く会釈した。

「私はアルヴィンといいます」

「はぁ……」

二人は困惑する。

いきなり自己紹介されても意味が分からないからだ。

「あの……何の用ですか?」

久留洲が尋ねる。

「あなた方をスカウトしに来たのです」

「スカウ……ト?」

「はい。王宮騎士団は強い者を求めています。あなたの活躍は王級にも届いています」「へぇ……」

久留洲は感心したように言う。

「もちろん、報酬も用意していますよ」

「そうですか……」

しばらく考え込んでから、久留洲は答えを出した。

「行きません」

「何故です?」

「面倒臭いので」

「そうですか……」

残念そうに肩を落とすアルヴィン。

「じゃあ、失礼します」

久留洲が歩き出すと、ガイズも続く。

「待って下さい!」

アルヴィンは久留洲を呼び止めた。

「……?」

振り返ると、アルヴィンの姿が消えている。

「あれ!?」

久留洲は驚きの声を上げた。

いつの間にかアルヴィンが、久留洲の背後に回り込んでいたのだ。

「あなた方の力が必要なんです!だから……お願いします!!」

必死に訴えかけるアルヴィンを見て、久留洲はため息をつく。

「仕方ないですね」

そう言って、アルヴィンに着いて行った。

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