第2話 転生しました!
服装はシンプルなデザインのドレスだ。
スカート部分がふんわりと膨らんでいて、胸元は大きく開いている。
そこから覗く谷間は思わず目が吸い寄せられるほど魅力的だ。
正直、こんな子が戦えるとは思えなかった。
「ねぇ、聞いていますか?」
フィリアが問いかけてくる。
「あっ……ごめん。考え事をしていたんだ。もう1度言ってくれれば分かると思うんだけど……」
「では、もう一度言いましょう。あなたにお願いしたいことがあります」
「頼みたいこと?」
「はい。実は今、私の管理する世界で大きな問題が発生していて困っているんです。そこであなたに解決して欲しいと思いまして……」
「ちょ、ちょっと待って!」
久留洲は慌ててストップをかける。
「その前に聞かせて欲しいことがあるんだ。まず、どうして僕を選んだんだい? 他にも強い人は沢山いるはずだ。何故、わざわざ僕に声をかけたんだい?」
「それは簡単です。あなたならきっと引き受けてくれると思って」
「それって」
「はい。ゲームの中でトップクラスの実力を持っているあなたなら、この世界を救えると考えたからです。それにゲームの世界でもトップクラスの人気を誇っているみたいですし、知名度も十分あるでしょう。私達の世界に馴染んでもらうのにも都合が良いと思います」
久留洲はようやく事情を理解した。「なるほど。つまりは広告塔としての役割を期待しているということだね」
「まぁ、そんな感じです。ただでさえ人手不足なので、どうしても人選は限られてしまいます。だから、あなたに頼んでいるんです。引き受けてもらえますよね?」
久留洲は悩んだ。だが、結局は断ることができなかった。
このチャンスを逃したら、一生後悔することになると思ったからだ。
「分かったよ。君の依頼を引き受けることにしよう」
「本当ですか! ありがとうございます。これで安心できます。それじゃあ早速、行きましょう」
こうして久留洲はフィリアと共に『異世界』へと旅立っていったのである。
そこは剣と魔法の世界だった。
中世ヨーロッパを思わせる街並みが広がっている。
道行く人々は皆、ファンタジー小説に出てくるような恰好をしていた。
「凄いな。まるで本物みたいだ」
久留洲は感嘆の声を上げた。
「当たり前です。ここは本当に存在する場所なんですから」
フィリアは誇らしげに言った。
「そういえば聞き忘れていたけど、君何歳なの?」
「女性に年齢を聞くなんて失礼ですよ」
「ごめん。でも気になるんだよ」
「まあいいでしょう。私はこう見えても100年以上生きてますから」
「ひゃ、ひゃくねん!?」
久留洲は素っ頓狂な声を上げる。
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