第3話 過去への決別
不気味に揺らめく
白い人形まるで陶器のようなその肌は
コードによる強化が成されている。
「歯が立たない……」
「またか……」
《おもいだした?》
《わたしの【
失いたくない
二度とバディを守りたい
その願いがコードを煌めかした。
遡ること数分前
「いくぞ」
「ええ」
号令と共に
協会学園が用意した戦術で
陣を組む。
アリンが後方で支援
シオンが前線で戦闘を行う
アリンも格闘術の心得はある。
「わたしは運動苦手で……」
「わかってる」
近接戦闘は向いてない
あと後方支援用のコードしか使えない。
いきなりではあるが
右から近づいて手に纏った
青い光で槍を形成する。
《久々ですね……》
《あと変わらない》
「何言ってんだ?」
直撃で白い人形の顔辺りに
ぶつけた。
《いたーい》
効果がそこそこないどころか
傷一つもついてない。
《こっちからも……》
スナップの効いた腕が
シオンを吹き飛ばし
アリンの場所まで戻される。
「大丈夫?」
「ああ…… しかし……」
「効いてない」
「そうだ」
このままじゃまずいとコードを威力を変化させた。
「この力なら届くだろう」
バチバチと雷を帯び始めて
大きな獣のような腕になる。
《アクセスオン》
《身体強化…… 弐式を認識しました》
「今度こそぶち破る!」
「うん! がんばって!」
今度は左から
回り込みそのまま青い手で
引き裂こうとぶつける。
《つまらなーい》
全く動じずに攻撃を受け流す
電流自体を弾き飛ばしているようだった。
《そろそろいいですかー》
白い人形が
鞭のようにしならせて無尽に
辺り一面に打撃を加えていく
周囲が倒木する。
その鞭が弄ぶように
シオンに降りかかった。
「ぐはぁっ!」
腹部に直撃をくらいながらも
追加の如く体中にも鞭の応酬がぶつけられる。
「ぐぁっ!」
《どうしましたー》
平然と安否を気にするふりで
なお追い詰めてきた。
「歯が立たない……」
「またか……」
コードが煌めきだす
《コードの組み換えを行いますか?》
「コードの組み換え?」
《焔属性へと変化が可能です》
「どっちでもいい勝つ力をくれ」
《属性を変化させます》
青い光が赤い光に変化する
それと同時に白い人形がたじろぐ。
《ばれたかー》
相手との属性相性が
あわなかっただけだったと今気づいた。
「なんで今更なんだ?」
「私の力です」
「どういうことだ」
「私の力は最大強化だから……」
「すべてと言うわけか」
いくぞと再度
合図をしてから焔の力である
【轟炎】を
先ほどのようにぶつける。
解けるように腕が
融解していた。
《いちどひきまーす》
「逃がすかよ」
上に回り込み
背中から焔の槍を形成して
ぶつける。
《くそー》
胴体の部分が融解する
支配が解けたように下にいる
人形にされていた三名が
自我を取り戻した。
《わたしを倒してもあの方が》
言葉が終わる頃には
全てが解けていった。
ようやく過去との決別を果たした
これは喜んでいいんだろうかな。
三名の男女は夢を見ていた
シオンアルバー=ターグランとの夢を
それは絆が成せるものだ。
三名を保護し
領域コードまで連れていく。
三名とも移動コードにより
学園へと帰っていった。
アリン達も移動コードで
違う場所へと移動する。
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