第4話


翌朝、夏休み1日目。








目覚ましの音を気にせず寝ていられることに感激しながらも、いつもとさほど変わらない時間に目覚めてしまう自分が何だか悲しかった。








遅めの朝食を済ませ、リビングでテレビを見る。








テレビの中の芸能人が笑ったり怒ったりしているが、どれにも共感できなかった。








それに、夏休み企画と称した街頭インタビューで聞きたくもない他人の予定が嫌でも耳に届く。








夏祭り、海、プール、帰省、海外旅行・・・。








何だか画面越しに自慢話を聞かされている気がして、思わずテレビを消した。














夕方、母親の声で目が覚めた。








どうやら、あのままリビングのソファの上で不貞寝をしていたようだ。








夕飯まで少し時間があるので、課題を進めようと自室に戻ろうとした時。








脱衣所の方から母に呼ばれる声がした。








声がした方向に向かうと、そこには困った顔の母と聞いたことのない音を奏でている洗濯機。
















我が家は、夏休み初日に洗濯機を失った。
















その日の夜。








家族会議の結果、家族の中で一番時間のある私がしばらくの間洗濯当番として近くのコインランドリーへ通うことになった。








何とか言い訳をつけて免れたかったが、ぐうの音も出ずに頷くことしかできなかった。










でも、毎日をただダラダラ過ごすより、コインランドリーでも外に出る予定があれば少しはマシだろう。










それに日が落ちた夜なら誰かに会うこともなさそう。














会議が行われた夕飯後、私は早速洗濯物を持って家を出た。

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