着る服がない

「服......。どうしよう」


 私は姿見の前で呟いた。

 コートを羽織るにはまだ早い。だけれどスーツのみだと肌寒い。幾つかクローゼットを開けたが丁度良い服が見当たらない。


「昨日はそこまで寒くなかったのに」


 溜息を吐いてぶるっと震える。

 寒さが増している気がする。

 本当に地球の殺意を感じるわ。

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