第1章
第1話 日常①
少年ジン=マクスウェルは霧の国ベルニアの首都の郊外に産まれた特別、家が裕福ではなかったが、二人の両親と一緒に慎ましく生活していた。
父親は国の主要産業である魔力触媒の生産工場に長年努めており、また母親は初頭教育の先生であった。
近くに同年代の友人も多くおり充実した子供時代を過ごしていた。
「ジン君は、すごく魔力密度高いので将来が楽しみです!!」
定期的に家にくる役人は両親に毎回そんなことを言っている
従来は何にも活用できない個人個人の性質の一つであった魔力は魔力触媒の発見で大きく変わった。
物理的な力に変換出きるようになったのだ。
ここで大きく関係してくるのが、魔力量と魔力密度である触媒は魔力密度によってその効果の強弱を調整する。
魔力の量が多くても密度がなくては何の効果も得られない。
現在の魔力触媒は魔力の干渉下ではそれに熱を持つ、故に蒸気機関や武器の動力源に利用されている。
現在各国が魔力工学、魔力理論なんて名前をかえて多く研究されている
そんな訳で僕は人並み以上の魔力密度を持っていた分、将来軍人にでもなれば他人よりも高火力で武器を扱うことができる...多くの大人から将来を期待されている訳だ...
しかし、勉学でも同期より優れている僕は軍人よりも学者肌だった、頃合いをみて都市部の高等教育への進学を両親に打診しようと考えていた。
進学時期が近づく時の面談で「お子さんの軍学校への進学を強く進めます」
中等教育の先生は両親に身勝手にもそんなことを吹き込むので、両親は自分を軍の学校に入れようとするのだ。得に将来軍人となれば学費は免除される。それは生活が困窮していなくても魅力的な話しだ。
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一年後
「そんな訳でベルニア帝国軍高等教育課程へ進学させされたんだ...」
友人と自分の生い立ちを話ながら半生を思い返した。
「しかし、ここべルニア帝国軍高等教育課程はこの国トップの学力がなきゃ入れないんだからすごいもんだぜ俺たち」
そんなことを言う友人ルイス=ウォルポールはこの学校に入ってから最初にできた友人のひとりで、帝国一の繊維メーカのウォルポール社の一人息子だ。
身長は16歳にしては高く175cmありアイス・ラグビー(スケート靴を履いてラグビーをするスポーツ)の選手であることから胸板も厚い、短く整えられたブロンドの髪と相まって自身に満ちた佇まいはまさに好青年であった。
「けど、ここに入学してからもう二ヶ月経つってのに既に孤立してる俺たちとつるんでいるルイスは将来まともな軍人になれないな...」
今発言したのはリック=リョハラーは同じ地元から進学してきた。入学してから交流が増えたが、両親の話によると小さいころに何度か遊んだことがあるらしい。
身長155cm、痩せ型で趣味はランニングで魔法工学に関して勉強するために入学したらしい。
そんな感じで学校の庭にあるベンチに座って談笑しているのが俺たちの日課だった。
学校は学年は1年から5年まであり各学年ごとに200人くらい在籍している、1、2年は基本的な教養を学び、3年から5年には魔法理論工学コースと帝国士官コースに分かれる。
当然僕はリックと同じ間法理論工学コース進学だが、学費が返金されるのは士官コースなので うまく理由をつけて両親に説明しなくてはいけないので、それを考えると今から憂鬱…
季節が夏から冬に移り風は寒くなったが庭は校舎に囲まれており遮るもののない日光と芝生の雰囲気が相まって、今日は未だ半日も経っていないのに三人とも眠たくなっていた
「そろそろ、次の講義室に行こうぜ」
ルイスの提案に俺とリックは重い腰をあげた。
セレクター(選出者) かがり @kagarid
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