11.練習終わりの番人

「ビービー!60プン、シュウリョウイタシマシタ。」

けたたましいアラーム音とともに、地獄が終わったことが告げられる。

俺は重力のままに倒れた。

「はぁ……はぁ……。」

「お疲れ〜。フロードって、意外と弱いんだね。」

「うっさい!こいつ強すぎだろ!自分のチームの中でも結構体力には自信があるのに!」

「あ、段階上の上にしてた。」

「お前マジふざけんな。」

「まあまあいいじゃない。いつかはこの強さをも超えるターゲットに会うかもしれないし。じゃあ次は君にあった強さにしてみよっか!……やっぱり明日にしよう。」

フラーレも流石にボロボロの俺に練習させるのは気が引けたのか、俺の方を見ると、何度か頷いてロボットの電源を切った。

「別に俺は練習してもいいんだが。」

「休んだほうがいいでしょその怪我。まだ時間あるんだから。」

フラーレは淡々とそう言う。

「練習場の鍵は君に預けとくよ。決行日まで、練習するといい。」

鍵が宙を飛び、俺の手の中に収まる。

フラーレはロボットの方を向きながら投げたのだから、凄いコントロール力だ。

「あんがと。」

「いーえ。」

端的に返したフラーレを一瞥し、俺は電源を入れたロボットと相対した。


3時間後。お昼の時間になったのでサンドバックの近くで丸まって寝ているフラーレを起こす。

「起きろフラーレ。もうお昼だぞ。なんか食べに行こうぜ。」

「えぇ……もうそんな時間……?っていうか、君はそんな時間になるまで練習してたの?休んでろって言ったのに。」

「早く慣れたいからな。」

「ふ〜ん、あんまりやりすぎると、本番で出動できなくなるよ。」

「うっ……気を付けます……。」

痛いところを突かれた。

「よしっ!今日は練習終わり!ご飯食べに行こう!」

「じゃあさ、最近できた中華料理屋さんが旨いらしいからそこ行こうぜ。」

「いいね。何食べようかな~。」

フラーレはウキウキしながら練習場を後にした。

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蒼色の番人 夜闇桴月 @Yoyami_F

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