5.番人の役割

ミカゲさんに「3日後、武器ができるからその時来いよ〜」と言われ、BARを出た。


「それで、今からどうすんだよ。」

「新しい依頼が入った。」

「急!」

「簡単な仕事だから、デビュー戦にはぴったりだよ。地味な一般人一人。

暗闇で殺せば絶対バレない。殺しやすいところの近くに住んでいるしね。」

「本当に殺しをさせる気かよ!情報を売るだけじゃねぇのかよ!」

「仲間になるってのは殺しもやってもらわないと。それで殺し屋名乗る気?」

「いや別に名乗るつもりもねぇけど…。」

「決行は1週間後。3日後にミカゲから武器が届くから、決行日までに慣れておいてね。」

「なんで1週間後なんだ?3日ぐらいで慣れると思うけど。」

「1週間の間に、僕達はターゲットの情報を隅なく調べ上げる。行動範囲、好きなもの、仕事場、交友関係とかね。別に興信所使うこともできるけど、嘘の情報言われたらたまったもんじゃないからさ。いつももっと時間を使うけど、今回は簡単だからね。1週間。ハッキングとかは僕に任せてよ。得意だから。君には、潜入でもしてもらおうかな。まぁ今回はハッキングだけで済むと思うけど。」

「ちょっと待て。その配分、俺のほうが危険じゃね?」

「じゃあ君がハッキングできるっていうの?マルウェアとか意味わかる?」

「……。」

「そういうこと。ミカゲに変装道具とか作ってもらうよう要請するから、いいね?」

「うっす…。」

頷かなければならない雰囲気に、首が勝手に動く。

「よし!それじゃ僕の家に行こうか!」

「え〜…。 」

「そんな面倒くさそうな顔しないでよ!とにかく、ついてきて!」

俺は渋々といった顔でついていった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る