第5話 本部へ

そしていいよいよ本部へと向かう日が来た勇樹は緊張しているせいか夜はあまり眠れていなかった新幹線の中でそんな勇樹に島田は励ましの言葉をかけた


「緊張しているか勇樹君」

「ええそれはまあしますよ俺の適正認められるか正直不安ですね」

「まあ安心しろとは言わんが気楽にいけその方が本領を発揮できる」

「ありがとうございます」

「そろそろ着くようだ降りる準備だな」


勇樹は降りる準備をしホームへと出たそこから改札を降りるとそこはかなりの大都市であった


「すごい都会ですねダウ国は」

「ああなんせ五つの大都市が区画ごとに分かれているんだ一つ目はこのアーバン区、二つ目はシティ区、三つ目はメトロ区、四つ目はルーラル区、五つ目にスレイヴ区だ特に五つ目のスレイヴ区は大都市とは真逆の巨大な貧民街であると聞いている」

「そうなんですね」

「本部はこのアーバン区にあるここの国の隊員は大体がC級以上の隊員が集中しているからな」

「C級・・・何かの階級ですか」

「おっとそうだったその説明も忘れていたな」

「相変わらずですね島田課長は」

「すまんな」

「はぁ・・・コキシネルにはそれぞれ階級が振り分けられているその階級は弱い順からF級、E級、D級、C級、B級、A級の隊員がいる」

「なるほど」

「課長インフィニティゾーンの話はしましたか」

「ごめん多分話していない」

「分かりましたそれで私達の刻敵はあなたが一度会ったあの生物を私達が討伐するのが仕事よ」

「まさかあの黒い生物が」

「その生物の説明をする前に私達がいる世界のことをデカルトと呼びそしてあの生物も別の世界からやってきたその世界のことをインフィニティゾーンと呼んでいる。インフィニティゾーンはいくつかの階層で構成されていてその全貌はまだ未知な部分が多い0階層からずっと続いている無限に続いてるかのように」

「じゃああの生物が各階層に存在しているってことなのか」

「そうその生物をカタストロフと私達は呼んでいる」

「カタストロフ・・・」

「そうそのカタストロフにも獰猛さや強さを加味した階級を危険度と呼んでいる」

「その危険度も隊員と同じ階級で分けられているのか」

「うん隊員と同じように危険度が低い順からFからAに振り分けられているこれは目安なんだけど同じ階級同士の戦いは必ずしも隊員が勝つとは限らないつまりワンランク上の階級じゃないと確実に勝つことは難しいことね」

「なるほど自分の見合った階級でも勝つとは限らないってことかありがとう色々教えてくれて」

「別にこれからあなたには組織の戦力として頑張ってもらわないと困るからね」


そうこう話しているうちに本部へと到着した本部の大きさはかなり大きくビル20階分大きさであった


「さて本部へと到着したな」

「ここが本部・・・」


すると本部のエントランスから一人の男がこっちに向かってきた


「お待ちしておりました島田様そして北里様に西園寺様神山本部長がお待ちです」


勇樹たちはその男についていき、エレベーターへと乗り10階のボタンが押された


(本部長・・・いったいどんな人なんだ)


「本部長連れてまいりました」

「ご苦労だった」

「はっ!」

「久しぶりだね島田君、君がここに来たのは確か君をT課の所属を言い渡した時だったか」

「そうですねお久しぶりです神山本部長」

「今回の要件はわかっているそこの西園寺君の入隊の手続きだったか」

「はい彼をコキシネルの一員にしていただきたく彼を推薦しました」

「なるほどまずは自己紹介といこうか私の名は神山旭だ」

「西園寺勇樹と言います本日は俺のような者に時間を割いていただきありがとうございます」

「うむ早速だが君

勇樹は深呼吸をし全身に力を巡らせ実体化を開始し、徐々に剣士の姿へと変わっていった


(ほう剣士かアタッカータイプのようだな)


「うむいいだろうどうやら実体化は習得できているようだな君を正式にうちの隊員として働いてもらいたい」

「ありがとうございますっ!」

「うむこちらで所属課は決めるが君は確かヴァーテル出身だったか」

「はいそうですが」

「分かったなら国の方はヴァーテルのどこかの所属課を明日知らせる」

「分かりました」

「それとついでと言っては何だが隊員になったばかりで悪いが一つ任務を言い渡す」

「任務ですか」

「ああ最近ヴァーテルのZ区あたりで妙な事件が多発している」

「もしかしてT区でも最近起きている事件と同じですか」

「ああそうだおそらくカタストロフがこのデカルト世界に侵入しようとしてきている」

「ならZ課の隊員に行かせれば・・・」

「それが彼らとの連絡が一向につながらない状態なんだおそらくだがカタストロフにやられている可能性が高い」

「確かにあそこの隊員は課長クラスでE級だったその情報いつ分かったんですか」

「今朝警備の隊員がそれを報告してきてくれたそう彼だ」

「雪畑慶介です」

「彼はB級隊員でねかなり優秀な戦力だ」


(B級隊員!ってことはA級の次に強い階級)


「Z区の調査にはT区の協力も必要だ」

「分かっていますでも俺の代わりに彼女を行かせてください」

「君は確か・・・」

「D級の北里葵です」

「そうだったな雪畑隊員をリーダーに北里隊員、西園寺隊員をZ区に向かってくれ」

「「「了解!」」」


勇樹達はヴァーテルのZ区に向かうため新幹線で向かったその頃島田は本部の評議室へと残った


「さて島田君、君は彼の潜在能力に気づいているんじゃないかね」

「さすが本部長ですね」

「おだてても無駄だ君はすでに知っていただろ」

「ええ彼には例の能力が秘められているかもしれません」

「それはどういうことだ」

「昨日彼の実体化の修行でその片鱗を見たのですよ例の能力を持つ片鱗を」

「彼にはそれを自覚しているのか」

「いいえですが磨けば光る素質だと私も北里さんも感じています」

「ほうそうか今後の彼の傾向を観察するとしようそれで他に報告は」

「私からの報告は以上です」


白銀は評議室から出ようとするとつるっと転んだ


「あっ痛てっ」

「相変わらずだな・・・彼のおっちょこちょいは」

「ええ・・・」


そう思いながら島田の帰りを見届けるのであったその頃勇樹、葵、雪畑は新幹線でヴァーテルのZ区へと向かっている途中であった


「さてあと30分でZ区だな」

「はいあの雪畑さんの所属課ってどこなんですか」

「ああ俺の所属課は本部所属のメトロ区を任されているんだ」

「なるほど本部所属や他の国の所属になるのはどういう基準があるんですか」

「本部所属は大体がC級隊員以上で構成されているもちろんC級以上の隊員も他の国に所属しているその基準に関してだがうちは本部は少数精鋭で他の国はいわゆる主力の部隊だ」

「主力・・・」

「ああ俺達は本部の守護を任されているもし本部が瓦解したらお前たちに指令が届かなくなるだから精鋭部隊が控えている主力部隊にも当然精鋭並に強い部隊はいるがそこまで多くはない全国合わせて20隊ぐらいかな」

「なるほどそういうことだったんですね」

「ああそろそろだなZ区」

「そうですね」

「君は初めての初陣になるだろう力も大して使えないだろうが戦いの中で身につけてほしい」

「戦いの中で・・・でも実体化での戦闘経験がまだないんですよ」

「自分のジョブ能力に関しての理解は実体化を通して理解したはずだあとはそれをアウトプットできるかにこの任務は大きくかかわってくる」

「確かに実体化で自分のジョブは理解しましたでも何の戦闘訓練も受けずに実践は厳しいのではないのかと思うんです」

「今回の任務は戦闘が多少なりともあるがそこは俺達が教えていくいきなり君を戦わせるのは無謀だからな」

「俺達?まさか私も入っているんですか」

「ああそうだが君はD級だろ」

「ええそうですが大して役に立てないと思いますよ」

「まあそこはお互い協力しましょうや」


葵は顔をしかめながらもしょうがないと割り切り勇樹の戦闘の訓練を任務を通して教えることになった。そうこう会話しているうちにZ区へと到着したいよいよ勇樹の初めての任務が始まる















  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る