第4話 謎の光

それから勇樹の修業は二日目を迎えようとしていた


「はぁ・・・はぁ・・・まだ駄目か」

「実体化に少しタイムラグが生じているな実体化はイメージとタイミングが重要だ」

「イメージとタイミング・・・」

「そう剣士の場合は力強い英雄のようなそんなイメージでいいあとはここぞというタイミングで一気に力を放出するイメージだ」

「つまり剣士の実際のイメージとその実体化までのタイミングを合わせるってことですか」

「そうだ」

「分かりました・・・やってみます」

「だが形にはなってきているこの調子ならあと数時間で完成するな」


勇樹は修業を再開した


「今日はうまくいけば本部へ行くんですよね」

「ああ本部への新幹線は・・・あっ」

「どうしたんです島田さん」

「新幹線の予約チケット取るの忘れた・・・」

「全くそうだと思いましたよ」

「面目ない・・・」

「そう思って俺予約チケット取ってあるんすよ」

「でかしたぞ東君」

「島田さんなら忘れると思いましたよちゃんと人数分ありますよ」

「助かる本部へは俺と勇樹君と北里さんで向かう」

「どうして私が本部へ?!」

「まあなんだ君が彼の才能を見抜いたんだそれに同じ高校仲間だろ」

「ただのクラスメイトです」

「俺にはそうは見えなかったぜ」

「黙れあなたには関係ない」

「相変わらず俺にはきついねぇまあいいけど」

「とにかく私と彼はそういう関係ではないので」


三人が会話をしているうちに勇樹は実体化の完成に近づけていた


「あともう少しかだいたいつかめてきたな具体的な剣士のイメージを実体化できれば」


(落ち着け・・・集中しろ次で完成させる!)


勇樹は力を全身に集中させると身体が光りはじめた


(なんだこれは!?)


その光に葵たちは気づき驚いていた


(まさかこの光は・・・かつて見たあの光と同じ彼がな・・・)


すると光の中で島田は見た勇樹の実体化が一瞬剣士ではなかったその姿は剣士に似ているようで全く違うジョブであった


(あのジョブは・・・!?)


そう思った時にはすでに光は次第収まっていき剣士の姿へと実体化した勇気がいた


(なんなんだ今の光は・・・一瞬剣士とは違う何かを感じたけどあれは一体・・・・)


「なんなんだ今のすげえ光を放ってたぜ」

「確かに今まで見たことがない・・・」


(間違いない彼には本当の才能が秘められているこれは面白くなってきた)


「よくやったよ勇樹君実体化成功だ」

「はい何とか出来ましたでもあの突然光り出したのは・・・いったい・・・」

「何か知っているんですかあの光について」

「いや俺もその光の現象は見たことはあるがそれが何かは知らないな」

「そうなんですか」

「ただその光は潜在能力を示していると思うんだ」

「潜在能力・・・そういえばあいつらに俺には器になれると言われ俺を狙ってきました」

「おそらくお前の中の潜在能力を奴らは狙っている可能性が高い」

「俺にそんな能力があるのでしょうか」

「分からないが俺はあの光には力強さを感じたその光が潜在能力の証だと思うよ」


勇樹は自分の姿を鏡を見ると拳を握りしめて三人の方へと向いた


「よし修行はこのくらいにして次は自分の適正属性の確認だ」

「適正属性?」

「島田さんその前に属性の話が先ですよ」

「おっとそうだったなジョブを習得した後はそれぞれ自分が使う技の属性があるその属性は大きく分けて7つある火、水、風、雷、土、光、闇だ」

「なるほど他にはないんですか」

「その7つの属性に当てはまらないものもあるよ例えば氷や龍属性の隊員もいるね」

「なるほど」

「それぞれ相性ってのもある火は水に弱く、水は雷に弱く、雷は土に弱く、風は火に弱いそして光と闇に関してはお互いに相性が良い」

「他の属性の相性もあるんですか」

「あるにはあるがその話はまた今度にしようとりあえずこの石を握ってみてくれ」

「これは・・・」

「これは魔石というアイテムで属性の診断によく使われたり武器の強化素材にも使われる」


勇樹は魔石を握るとしばらく変化を待っていると突然全身に電撃が走ったようなものを感じた


「どうやら反応がでたらしいね」

「はい全身に電撃が走ったようなそのような感覚でした」

「ほうちなみに魔石の反応は」


勇樹は握っていた魔石を手のひらから広げると魔石は黄色く光っていた


「ということは君の属性は雷のようだな」

「あのこの魔石の反応っていったい」

「悪いね今から説明するよさっきも言った通りこの魔石は属性を判定できるアイテムでね火、水、風、雷、土、光、闇の中でどの属性に適正があるかわかる例えば火ならこの魔石が熱せられる当の適正がある本人には熱くは感じないが第三者が触るとその熱さを感じられる。水なら魔石は湿るとわかりやすい反応を示す。風なら魔石にヒビがはいる。雷なら魔石が黄色くなり全身に電撃が走った感覚がする。光なら魔石が金ぴかに光出す。闇なら魔石はいつもより黒く変色する。こういう反応が各属性で魔石で判定できるんだ」

「なるほどつまり俺は魔石が黄色くなって全身に電撃が走ったあの感覚は雷属性ってことですか」

「ああそういうことだ」

「ちなみに適正以外の属性って使えたりするんですか」

「まあ基本は使えないんだが強くなる中で適正属性が増えたって例もあるからね一概には使えないとも言えない」

「なるほどありがとうございますここまで教えてもらって」

「うむ東君新幹線って明日だっけ」

「はい明日の11時の新幹線です」

「明日はコキシネルの本部へと向かう準備は十分だからね」

「いよいよ本部へ行くんですね」

「本部の場所はダウ国にあるからね」

「ダウって結構遠いですね」


その頃ダウ国では本部の評議室で白銀は報告を行っていた


「以上がT区の高校で起こった爆破事件の報告になります」

「なるほどそれで例の西園寺勇樹という青年を奴らが狙っているということか」

「彼の発言からはそう解釈していますそれに彼からは何やら潜在的な能力を感じられましたひょっとすると奴らはその能力のことを器と呼んでいる可能性があると私は考えています」

「そう考えるのが妥当だなだが肝心な奴らの目的がまだわかっていない全国にブラッドシャードの調査を要請しているがそちらも引き続きそちらでも調査を続けてくれ」

「承知しました」

「この件の報告はこれまでにして次に各国で起こっている人が突然に死んだり、行方不明になる事件が多発してますなおそらくインフィニティゾーンが関係しているのですが詳細なところはわからずじまいですね」

「これもブラッドシャードの仕業の可能性はは?」

「いや私の推測ですがおそらくブラッドシャードではないと考えられます」

「なぜだね」

「確かに不可解なことには変わりませんがおそらくインフィニティゾーンで何かしらのアクシデントではないかと考えられます」

「つまりカタストロフか」

「はいしかも危険度は高い部類でしょうねこのデカルト世界まで影響が及んでいますからブラッドシャードならすでにデカルト世界を壊滅できる力を持っているでしょうし中途半端なことはしないと考えられます」

「なるほど危険度はC以上が濃厚ということか」

「おそらくC以上であることには間違いありませんね」

「ではブラッドシャードの件もあるがまずは各国で起こっている不可解なことを解決することを優先ということで良いか」

「異議はありません」

「私もです」

「うむではインフィニティゾーンに探索隊を出すとするか古谷どれほどの時間で探索隊が結成できる?」

「1週間もあればすぐに隊は組めます階級はC級以上で組みますか」

「うむそうだなあまり戦力は割けないがC級で妥当だ0階層からの探索を行ってくれ」

「了解いたしました」

「他に報告はあるかね白銀支部長」

「いいえ特にはありません」

「なら結構だ退室してかまわない」

「はっ!失礼します」


白銀は評議室を後にし、本部から去っていったその頃本部長はなにか考え事をしていた


「西園寺勇樹・・・それに器か・・・」


本部長は西園寺勇樹を気にかけながらどこか遠くを見つめていた





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