第3話 力の正体

「よし決まりだなまずは本部に向かう前の準備をするか」

「はい支部長」

「本部って」

「コキシネルの本部よ直接行って入隊の手続きが必要なの」

「入隊の手続き・・・」

「手続きだけじゃないなその前に適正を見られる」

「適正ですか」

「ああだがお前にはまだ適正が身についていないだからこそ本部に向かう前の準備をT課で行う」

「もしかして修業ですか」

「その通りだお前を鍛える奴を俺は知っている俺はこれから忙しくなるから北里君あとは任せる」

「分かりました」


白銀は自分の支部へと戻った葵は勇樹の修業を行うためT課へと向かった。向かう途中に勇樹は葵はあることを尋ねた


「北里さんさっきの白銀さんって支部長って言ってたけど他にも支部長がいるの?」

「ええそうねコキシネルの組織の構造は本部長を中心に支部長が各国に別れていてその国のA区からZ区にそれぞれ課が設置されるA区ならA課、B区ならB課があるそれでその課のリーダーを課長そしてさらに下に私達隊員がいる」

「そうなんだ本部長も自分の隊とか持つのか」

「そうね本部長が推薦した人材を元に部隊をいくつか持ってるいわゆる精鋭部隊ね」

「精鋭部隊・・・」

「うちの国にも精鋭部隊の課はあるわ半分は本部の主力、もう半分は私達のように課への配属になる」

「へえ~」


そうこう話しているうちにT課の拠点へとたどり着いた


「着いたわここが私達T課の拠点私を含め4人いる」

「4人・・・」


(いったいどんな人たちなんだ)


葵と勇樹は拠点へと入っていった入ると中は真っ暗で地下室を思わせるような暗さであった。葵は壁に手を当てると受話器のようなものが出てきたそれをとって葵は話し始めた


「北里です課長入っても構いませんか」

「ああいいよ」

「失礼します」


するとしばらく待ったが何も反応せずただ静寂が続いたすると受話器からまた声を発した


「あのぉゲートを上げるのはどれだっけ」

「はぁ・・・そうだと思いましたよ机の左下のボタンです」

「あああったありがとう北里さん」


すると壁だと思っていた場所がゲートのように開き光が差し込んだ


「いやあごめんね北里さん」

「全くだぜ島田さんそのおっちょこちょいなところ直してくれよ」

「面目ない・・・東君」

「まあ島田課長がおっちょこちょいなところは相変わらずななのは知ってましたけどね」


(これがT課のメンバーか思ったより温和な雰囲気なんだな)


「さて君が支部長の言っていた才能がある子だね」

「いやあ俺に才能があるなんてそんなことあるんすかね俺は西園寺勇樹と言います」

「うん俺はT課を仕切る課長の島田広輔だ」

「はいよろしくお願いしますそれで俺はこれから修業を行うんですよね」

「そうだね君にある力の習得をしてもらう」

「はい俺はその力の正体を知りたいんです」

「そうだね君が習得してもらう力はジョブと呼ばれる能力だ」

「ジョブそれはいったい・・・」

「ジョブとは種類が異なっていて剣士、魔法使い、槍使い、闘士、射手ガンナー、騎士など多くのジョブが存在する」

「まるでRPGのゲームの職業みたいですねそれでそのジョブはどうすれば習得できるんですか」

「それが今回の修業だジョブの習得の前に適正を見るか」

「適正ですか」

「ああ君がどのジョブに属するのかを把握してからの方が修業の効率が全然違うからな」

「そうなんですねそれでどうやって適性を調べるんですか」

「その適正を調べられるのはジョブの能力者のみが確認できるつまり能力者に触れてそれを確認する」

「分かりました」


勇樹は島田の腕に触れると頭に何者かが語り掛けてきた


(勇樹あなたのジョブは剣士です)


「なんだ今の声は」

「どうやら聞こえたようだねその声が言っていたことを思い出してほしい」

「あなたのジョブは剣士とそう言っていました」

「ほう剣士かなら修業方法は単純だな」

「そうなんですか」

「剣士っていうのはアタッカータイプのジョブでね魔法使いや闘士、騎士などがアタッカータイプだそして僧侶や賢者といったのがサポートタイプの二つに分かれる」

「このT課にアタッカータイプとサポートタイプがいるんですか」

「もちろんいるよそこにいる東君がアタッカータイプでジョブは槍使いだそして北里さんが魔法使いのジョブだそして俺は騎士に属するアタッカータイプだ」

「へえ~それでここに来た時から思っていたのですがこの課には4人いるって聞いたのですがもう一人はどこにいるんですか」

「ああもう一人は今遠くでの任務に向かっているんだ当分は帰ってこないだろうね」

「そうなんですか」

「その彼女はサポートタイプに属する人だよ今度会った時紹介するとして話を戻そう」

「島田さん修業する前に俺達の力の正体が見えていないんで見えるようにしないと後で支障をきたしますぜ」

「そうだねそれじゃあまず俺達の力の正体を可視化できるように目に力を集めてくれ」

「目に力をってどうすれば・・・」

「さっき私に触れたときに感じたあの力だ」


勇樹は気持ちを落ち着かせ三人の方を凝視したするとだんだんとオーラのようなものが実体化していいきやがてRPGのゲームのように葵は魔法使いの恰好を東は槍を装備しており、そして島田は騎士のような恰好をしていたがどこか二人とは全く違う強いオーラを感じていた


「これで見えるようになったか今見えているのはそれぞれのジョブの姿をオーラで実体化したものだ君にはこれからその実体化を身につけてもらう」

「はいあの一つ聞いてもいいですか」

「なんだ」

「俺があの爆破事件の時にブラッドシャードとやらの組織に接触した時なんで剣士の恰好が見えていたのでしょうか」

「その答えについては単純だ君が無意識にその可視化を使っていたからだ」

「無意識に・・・」

「そうだおそらく爆破によって自分が追い詰められている状況でそれを回避するために潜在的な力が表に出たのではないのかと思うんだ」

「そういうことだったんですか」

「他に質問はあるかい」

「いえ特には」

「次は実体化だがさっきやった可視化のように力を目に集める方法を身体中隅々までに力をいきわたらせる方法で実体化ができる」

「なるほどつまりさっきやったことの応用ですか」

「そうだこの修業は俺達のようにジョブの能力が分かっていれば実体化は2日で完成するはずだ長くて5日だ」

「分かりましたやってみます」


勇樹は力を全身にいきわたらせたが剣士の実体化はできなかった


「あれそんな・・・」

「まあ一発でできたら苦労しないな何回も試行錯誤を繰り返すことで次第にその実体化に近づくはずだ」

「分かりました」


勇樹は実体化の修業を行い続けたしかしかなりの失敗続きであったがめげずに頑張り続けた


「結構かかりそうですね」

「そうだねこればかりは仕方ないな彼のセンス次第で時間は短縮できるんだがな」

「そういえばこれから何か任務ありましったっけ」

「そういえば忘れていた」

「しっかりしてくださいよ島田さん任務に遅れたら俺ら怒られるじゃないですか」

「ごめん北里さんあとは彼を任せたよ」

「えっ?私ですか?!」

「俺はこれから東君と一緒に任務があるんだ彼の修業を見てやってくれ」

「分かりました」

「頼むぜ北里あいつかなり磨けば光る予感がするんだ」

「そう・・・」

「全くお前は相変わらず俺に対しては結構冷たい態度なのかよ」

「別にあなたとはなれ合う気はないでも島田課長には恩があるそれだけよ」

「まあいいけどよじゃあな」


島田と東は任務のため拠点を後にしたそして葵は勇樹の修業を見ていた


「はぁ・・・はぁだめだ全く実体化できないでも何かきっかけがあればな北里さん」

「うん?なに?」

「実体化のコツって何かないかな」

「そうねまず全身の力をいきわたらせてからそのジョブにあったイメージが重要ね」

「イメージ?」

「そう私なら魔法使いがジョブだからRPGに出てくるような魔法使いをイメージしてる」

「なるほどイメージか」

「それとただイメージだけじゃなくてそのジョブに対しての具体的なイメージができれば実体化の成功に早く近づく」

「そうかありがとう北里さん俺に実体化のコツを教えてくれて」

「別にあなたには秘められた才能があったのにアドバイスしただけよ」


こうして勇樹は修業を続けるのであった











  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る