第1節 転換
パァンパァンパァァァアン!!!!
「!?!?」
銀行内全域にわたってすさまじい爆発音が鳴り響いたと思ったらすぐさま人々の目は目だし帽を被った三人組の男たちに向けられる。銀行強盗だ!さっき刺激的なことを求めて願を立ててたけどちょっと求めてるものと違うかな、刺激的っちゃ刺激的だけど。うわぁー、最悪だ。
「おい、そこの受付の野郎、このバックにあるだけの金を詰めろ!」
え?まじか…
「わ…私ですか?」
「お前以外にだれがいる…」
「は…はいすぐに用意しますっ!」
くそっ!よりによって逢乃香かよ。強盗犯たちの計画はこの状況を目ればあらかた予測がつく。一人目は金を受け取る役。二人目は怪しい行動をしないよう人々の監視、そして最後の一人が出口の確保。彼女は言われたとおりに金を黒いボストンバックに詰め、手渡した。その時、彼女は果敢に強盗犯の一人に背負い投げをくらわそうと相手の手をつかんだ。彼女は中高と数少ない柔道部員で県大会まで上り詰めているそこそこの実力者。これは決まったと思ったその時
「パァン!」
と鈍い音が鳴った。弾丸は逢乃香の手首をかすめた。
「…次は頭にあてるぞ…」
まるで狩人のように見事だった。三十五メートルくらいはある距離から見事に狙ってあてたのだろう。
「その女を拘束して連れてくぞ」
「わかった」
まずい、感心している場合ではない、この状況を打破しなくてはならない。だが策など何も浮かばなかった。俺はただ茫然と連れてかれるその様を見ていることしかできないんだ。俺はいつだって動けなかった。逢乃香を守るためですら俺は動けない。
二人は監視役と合流し、外に何も動きがないことを確認して裏の駐車場の車へと向かっていった
日々に色気が付きました 白樺白季 @shirakabashiki
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