第6話古剣・火樹銀花
ミナは鞘から数
刀身は美しい鋼の銀色をしており、アーノルドの剣と違い波紋は浮かんでいないものの、鞘には夜空に浮かぶ花火と紅葉の落ち葉をモチーフに
「いいの? こんないい
アーノルドは便宜上、
時代が流れ平安時代中期以前には、反りのない片刃の剣が好まれるようになり直刀が出現し、関東以北に在住していた。
そのそも
「俺にはコレがあるから問題ない」
そう言って俺は愛刀・
「その剣……
「そう言う事なら……」
渋々と言った様子でミナ・フォン・メイザースは剣を受け取った。
「それでなんで国内有数の権力者の息子が、冒険者の真似事なんてしてるのよ?」
ミナの言葉には軽蔑の色も侮辱の色も感じなかった。ただ疑問に思った事を素直に口にしただけなんだろう。
「俺は自由に生きたいんだよ。小遣いも稼げるし手に職も付くから、冒険者をやってみようと思っただけだ」
少し見栄を張ってしまった。この世界の事をロクに知らない俺は、前世の知識で勝手に冒険者=自由の象徴とイメージしているだけだ。
「ふーん。そうなんだ。でもクローリー家なら剣を打てるんでしょ? 鍛冶師になればいいじゃない……」
彼女の言葉にも一理ある。危険を冒して得る報酬よりも鍛冶師として、武器を打った方が時間当たりの稼ぎは多い。
「俺はあくまでも自分のために剣を打っているだけだから……それに俺は上三人と比べると全て劣るからなぁ……」
長兄は頭脳に優れ、次兄は鍛冶に優れ、三男は剣技に優れる。それに比べて俺は全員の真似事が出来るに留まる。強いて言えば魔力は一番多いぐらいか……
「まぁ何というかご愁傷様。この数年クローリー家四兄弟は学内では悪い意味で有名だもんね……それで
「あぁ、
「確かにこんな綺麗な仕事を貴方がやったと言われたら、私も素直に納得できないわ」
「確かに俺は金属細工や彫刻は基礎しか出来ないから、ここまでの一品は作れないよ。大型鼠の皮や魔石だが俺が貰っていいか?」
「えぇ別に構わないわ。そのために私に魔杖剣を渡したのよね?」
「概ね正解だが、俺にはコレがあるからお前が居なくても問題ない……」
俺はコートの胸ポケットにしまっていた。魔杖直刀・
先ほどまでの二振りの剣とは異なり
「さっきまでの剣に比べると地味な鞘ね」
「まぁそう言うな……コイツは便利な魔術を刻んであるだけでそれ以外の魔術を使う用には作って無いからな。【
ピュー。
突風が吹き始め、俺を中心に風が集まり繭を形成する。
「何これ!」
「
「魔力を視られたら、一発アウトなのが難点って所かしら……」
「その通り」
今回も先ほどの
「手慣れてるわね……」
「そうでもないよ。鎧狼8匹で練習したし、たまにだけど魚とか捌いてるから慣れだよ慣れ」
「そう言う物かしら……」
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【あとがき】
まずは読んでくださり誠にありがとうございます!
読者の皆様に、大切なお願いがあります。
少しでも
「面白そう!」
「続きがきになる!」
「主人公・作者がんばってるな」
そう思っていただけましたら、作品フォローをどうぞ、よしくお願い致します。m(__)m
7,8,9日は7時、12時、18時に投降予定
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