第6話
スマートフォンがドラゴンに変化したことに驚いたが
ザクルスキーの「繁栄の箱庭」にたどり着くと、リヴェルーの管理する箱庭、再起の世界(というらしい)とは当たり前だが違うんだなと痛感する
少しの間でも見ていたリヴェルーの管理する世界は、中世ファンタジーからSFチックの世界の中で人間を中心とした世界だった。
(こうしてみるといろんな世界を箱庭みたいに管理してるから、私たちのいる空間は箱庭と言うんだな…)
目の前の映像では獣人が市場を闊歩していたり、見慣れない祭りの祭典に人間からモンスターと言われる姿の生き物が楽しんでいる姿が印象的だ
「あら、おかえりなさいザクルスキー。それと後ろにいるのは誰かしら?」
二人の秘書のうち兎の頭の秘書が声をかける。
ザクルスキーがライオンの頭に背中に翼がある神様なら秘書の二人も人間でなく亜人だ
「いま戻った。不服だが、新しいリヴェルー神をうちで面倒見ることになった」
とザクルスキーの言葉の後に続き
「よろしくお願いします」と頭を下げる
「あらま、前のリヴェルーとは仲がよかったのに…うちらに挨拶もしないで転生してったのね」
と、もう一人の秘書がいう…上半身は人間だが下半身はドラゴンの脚をもっている。
「紹介が遅れたわね、私たちはザクルスキーの秘書をやってるの。私は兎頭のラビー、こっちはドラグー」
ラビーの喋り方は女性に近い感じを受けるが、体つきでは性別は中性で二人の中での都合のいい姿、又は理想の姿なのであろう
ドラグーが「いまリヴェルーは転生してどこで何をしてるんだろうねぇ」と呟くと、私の肩にのっているドラゴンが
「リヴェルーは、現在平和に過ごしています。映像を映しますか?」
としゃべりだした。
私はスマートフォンがドラゴンになっただけなので、姿が変わっただけでAIのように周囲の声で答えを出すのかと思っていると
私とドラグーの前に今現在のリヴェルーの姿が映し出された
「お、リヴェルー。今までの姿に近い姿のエルフに転生したんだなぁー。元気そうじゃん。二人も見たら?」
とドラグーが二人に声をかける。
転生したリヴェルーは赤子かと思いきや、人間で言う10歳前後の姿をしていた
「転生したら赤子からやり直すと聞きましたが、もうこんなに時間が経ってるんでしょうか?」
私の感覚では急に神になって、2、3日程度の感覚だが(その前にスマートフォンで会話もしてるし)リヴェルーの姿から見ると10年前後の時間が流れているような違和感がぬぐえない
「ここの世界と、転生した者の世界と時間の流れは同じではない。そうでないと我々が危険因子や世界の崩壊に対応できん…神と言われてようが、一夜が明ければ焼け野原を元の風景に復元する力もないからな」
ザクルスキーが世界の映像を見ながら私の疑問に対して答える
そういえばハディーも言っていたような……
「そうね。私たちは啓示や、天候を少しいじったりはできるけれども、極端に世界の住人が未練ったらしい人生を送らないようにするのが努めですもの」
と、続けてラビーが答える
視線を、リヴェルーを見ていた映像に戻し…
もしもこの先リヴェルーがまた転生者として私の前に現れるのか?
と言う疑問が浮かんだが、まだその時ではないと思い、映像を消す
「基本は魂の未練に呼応して、箱庭が決定するから転生したリヴェルーが偉業を成したとしても、私たちの管理する世界に呼び出すように転生はできないことはわかってるわね?」とドラグーが問う
私は、頷くと「話はこれまでにして転生者がくるわよー」とラビーが配置につくように促す
未練の残ったまま人生に幕をおろした魂には寄り添いは不要、ともう一度思い出して私も3人の後に続いた
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