第5話
ザクルスキーの元で神とは何か?を学べ…
いわゆる研修を私は受けに彼の世界(もとい箱庭)へと向かっていた
挨拶とか自己紹介もなく、彼の後ろをついていくが
人間156cm代の人間の私からすれば約2mはあろうライオンの頭と背中からは鷹のような大きい天使の羽は、異形…神だからエジプトにもいたような……
考え事をしていたら「おい」とザクルスキーがこちらへ視線を向ける
「お前はどうやって世界を管理しているんだ?」
そう言われて、私はスマートフォンを前に差し出す
「なんだこの四角いものは…」
ライオンの大きい顔が私の顔に近づく。
「こ、これは…スマートフォンという、機械でして…」
こんなに近くでライオンを見たこともないが、牙はちらちらと見え私の喉が噛みちぎられそうだと思うと心臓がどくどくと脈打つのがわかる
「それで新しいリヴェルー神は世界を管理するのか?」
管理とは自分の箱庭の世界で戦争や異常な繁栄や衰退がないか?簡単に言うとそういうことらしい。
まだ自分自身の箱庭がどう言うバランスなのかわからないのが現状である。
「いちいちその小さい四角い画面を見るのは面倒ではないか?転生者の様子をそれでも見るのだろう?色々な物事を直接この物にやるのは、私の手だは小さすぎるぞ?」
私より大きいザクルスキーの指がスマートフォンに向かう
「考えてみろ、お前はそれが意思の伝達を助けてくれるモノだと。人でもいいなんでもいい、いちいちそれを見るために視線を外したり、転生してくるものに奪われたらどうするんだ?」
諭すように私に言うと、違う何かに変化するのを待つように壁として通路に立ちはだかる
スマートフォンが仮に…どうなるんだ?
いや、もしこれが原始的な伝書鳩…に変わる?
クルッポクルッポ肩で鳴かれるのはちょっと…そう思うと
手で握っていたスマートフォンがスライムのようにぐにゃぐにゃと輪郭が変わり始めることに驚き
「えぇ?!」
と声が出てしまった「いいぞ、その調子だ」とザクルスキーの声が聞こえる
私のスマートフォンが…例えばしゃべれて
自分の意思を持って、肩に乗るサイズ……そうだ、小さい黒いドラゴンがいいんじゃないのかな…
そう思うと、型にはまるかのように小さいドラゴンに形を変えていく
私の手にはスマートフォンがあったのに、今では小さいドラゴンに姿を変え手の上に居る
「それでいい。私たちは、望むように姿を変えれる」
そう言ってザクルスキーは歩き出す
「今のリヴェルーの姿は神というより、小さい黒髪の小娘の姿だが、自分がなりたい姿がわかったら自分の振る舞いを変える機会だ」
何か含みを持つような言い方に
「なら、前のリヴェルーの姿を真似してもいいんですよね?」
と私はザクルスキーの後ろについていく
しかし、私の問いかけには返事がすぐに返ってこず、聞こえているのか不安になったとき
「私は前のリヴェルー神と同じようになれ、とは言ってない。リヴェルー神は何故、お前に神の座を譲ったのは私も知らん。お前の中に答えはあるはずだ。」
確かに(というか、譲ったより神の座は押し付けられたんだけど)…と思うが
ザクルスキーは異形のような姿は、彼の世界では当たり前なのか…?
ザクルスキーが管理するのは繁栄の世界
生き物、文化、種族、技術さまざまな物が栄える雑多な世界に私は一歩踏み入れた
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