第10話 旅立ち。次の国もヤバそうニャ
昨日と同様に豪華な部屋で目を覚ます。
温暖な気候のこの世界。個室にあるベッドに何故に天蓋が必要なのニャ?
などと、どうでもいい事を考える。
「グッド・モーニングスター!!マスターは今日も元気ですかー!?」
サポちゃんは今日も五月蝿い。
自分の体より大きいモーニングスターを抱えている。
昨日、貴族街で妙に欲しがるから買ってやったのだが・・・
まさかこの為だけに買ったのにゃ?呆れてものも言えないニャ。
お金を払ったのはシゲルだけど・・・。
「元気ニャ。と言うか、なぜに打撃用武器ニャ?
戦闘に参加する気になったニャ?」
サポちゃんが戦ってくれたら私は楽なんだけど。
絶対、やる気ないから完全に無駄遣いニャ。
「そんな面倒臭い事する訳ないじゃないじゃないですか♪
そんなのマスターに任せとけばいいんですよ!」
よし!こいつを殴るために使おう♪
「必要性が有れば戦えない事はないですけど、
魔法メインなので鈍器は使いませんねぇ♪」
面白そうな事があれば戦いそうだけど・・・。
と言うか、私も別に戦いたくはないニャ。
「朝食を食べたらすぐに出発するのニャ。
準備、と言っても何も持ってないからそのまま出るだけだニャ」
アホなやり取りを終えて、本題に移る。
「あれ?昼過ぎに出発って言ってませんでした?」
シゲル達には昨日、昼過ぎに出ると言っておいた。
見送りやら、なんやらされても面倒臭いからニャ。
こっそりと出て行くつもりだ。
「相変わらず、
「好きに言えばいいニャ」
こうして私達は朝食を食べた後、こっそりと城を出た。
・・・
商店街で色々と買い物をして行く。昨日拾った魔石は、
30万円分位にはなっていた。
「簡単の稼げすぎじゃニャいか?」
「普通は馬の魔物でも全力で逃げ出すレベルですよ?この国では」
国民の戦闘レベルはかなり低い様だ。
まぁ、でもこれから変わるだろう。
シゲルは外の状況や、国民の様子を理解したみたいだしニャ。
そして、いつもの串焼き屋の前。
「おばちゃん、昨日はありがとうニャ」
「あら?今日は一人なのね。昨日はあんなに好き放題言って、
本当に大丈夫だったのかしら?」
おばちゃんはかなり気にしている様だ。そりゃそうだニャ。
今の貴族との関係性を考えると、むしろよく言ってくれたと思う。
「昨日のは、国王のシゲルにゃ。ちなみに私は神の使者らしいニャ♪」
私はちょっと意地悪に、わざとちゃんと説明せずに言った。
「はい?ちょっと何を言ってるか分からないんだけど?」
そりゃそうなるニャ。私は懇切丁寧に説明してあげる。
・・・
「わ・・・わたしは、国王様になんて事を・・・」
おばちゃんは青ざめている。すまんニャ。
シゲルの性格や、これからの事をどう考えているか簡単に伝えておく。
「これから、この国は変わるニャ。シゲルは頼りないから、
温かい目で見守ってやって欲しいニャ」
おばちゃんは理解してくれた様で、笑顔で見送ってくれた。
私は昨日、巡った各所の露店で似た様な事を言って回った。
『面倒くさがりのマスターにしては随分と世話を焼きますねぇ♪』
いつもの様に、分かっていて皮肉を言ってきやがるニャ。
「魚が早く食べたいだけニャ・・・さぁ出発するニャ!」
私はバツが悪いのを、強引に誤魔化し街を後にした。
・・・
「次に行く国は遠いのかニャ?」
一応、方角だけ聞いて歩き始める。
「昨日のペースで森を進めば、日中歩き続けても丸2日かかりますねぇ」
遠いニャぁ。そりゃ、今の国民じゃとても無理ニャ。
でも亜龍以上の敵は縄張り意識が強い為、
余程の事がない限り生息域を離れないので亜龍さえ倒せれば交流は可能らしい。
街道整備して馬車でも走らせれば、一日で行けるかもニャ。
「どんな国なのニャ?」
私は恐る恐る聞く。嫌な予感しかしないニャぁ・・・。
「二つの国が隣接していて、既に交流してますが、
関係性はかなり悪いです」
うわぁ、やばそうだニャぁ。でもシゲルの件はそれ程酷くなかったし、
今回も・・・
「一つ目の国は、聖女によって救われた国ですが、
今は邪教が
観測者を崇めていないので神託がなされず、
矛盾だらけの中、無理矢理作り上げた宗教が幅を利かせています♪」
「ダメじゃニャいか!」
絶望的な感じがする・・・。
「エルフ、人族、妖精が生活している地域なのですが、
こっちの国には妖精は近づきたがらないですね♪
妖精の恩恵はとても大きいのでぶっちゃけ絶望的な状況です!」
もう、滅んでいいんじゃないかニャ♪
私は半ば投げやりに思う。
「もう一つの国に頑張って貰って、属国になればまともになるニャ!」
我ながらいい考えなのでは?
「もう一つの国は、国民が超無能です。妖精はぶっちゃけ国民を馬鹿にしてます。
王女は有能なのですが王女の負担が大きすぎて、もうすぐ過労死するレベルです♪」
「うわぁ・・・」
まぁ、見に行ってみるかニャ・・・。
王女には、元社畜の私としては少しシンパシーを感じるし。
猫になりたがっていたりして・・・。
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