5話

 僕は今ダンジョンでモンスターを買っている。今日はダンジョンボス討伐の日。モンスターを狩るのはダンジョンコアを取ったあとのために必要。取ったあとはモンスターはリポップしないから、討伐メンバーが比較的楽に脱出するためとモンスターがダンジョン外に溢れないために。少し前に討伐メンバーが通ったからそろそろ帰る。



 ベースキャンプで須藤さんと一緒に飲む。ダンジョン攻略を完了したからお祭り騒ぎ。協会は参加者の飲食費を出すから食べ放題飲み放題。僕はエナジードリンクをコーラで割って飲んでいる。物凄く甘ったるい。でも凄く決まっている。プラシーボ効果かもしれないけど。

「おい。今から大事なことを言うぞ。」

「なんですか?」

「パーティ組まないか?」

ソロで潜っていた須藤さんから言われて驚いた。

「どうしたんですか急に?」

「今潜っている階層以上に潜れなくなる。知ろうとすれば知れるから疑わしいなら協会に聞きにいけ。才能の限界だ。頑張っている前提で、ほとんどの人は10層を越えられない。100人に1人くらいはCランクになれる。1000人に1人がAランクになれればいい方。そんな風に才能があることが研究されてわかっている。個人差はあるがな。」

「どうやってわかったんですか?」

「レベルアップとステータスの能力値でわかった。限界になったらレベルアップが才能あるやつに比べて10倍以上かかるし、能力値が伸びにくい。」

僕も他人事ではない。どこまで成長できるのか知った今怖くなってきた。

「だがなんとかなる方法は2つある。現実的ではないがな。異常物質、因子強化薬を使えば限界が上がる。しかしドロップ数が物凄く少ないのと、ランクがあって俺が使うには高ランクのを使わないと効果がない。もう1つはドロップでしか手に入らないスキル、限界突破。これはアクティブ、パッシブ両方の性質があってアクティブは一時的にステータスが大アップ。パッシブは魂の限界までの成長可能。ああ俺に聞くなよ、これ以上は知らない。」

因子強化薬?才能は因子のこと?それに限界突破にある魂の限界?気になることがいっぱいある。

「改めて言う。俺とパーティを組まないか?これらが手に入ったからって辞めないから。」

限界といっても僕よりベテランだし、

「はい、組みます。お願いします。」

こうして僕はパーティを組んだ。

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